14/01/05

ドン・ジュアン

「ドン・ジュアン」俳優インタビュー1

現在、新作公演「ドン・ジュアン」の製作、真っ只中です。
現場の様子を、映像にて配信しています!

14/01/04

ドン・ジュアン

『俳優の仕事について』

全くこの劇団は変わっている。
というか、安田雅弘は非常にめんどくさい演出家だ。

「俺は、俳優に演技をつけない」
「演技をつけなくちゃならないような俳優とは付き合いたくない」と言い切る。

私も演出をしたり、海外の国内の多数の演出家と仕事をしたりしてきたが、こんなに徹底して、俳優に考えさせる演出家はいなかったし、私が演出をする時は、ほとんど私がやって見せることが多い。てっとりばやいし、こんな芝居になるという予測が立てやすいからだ。こんな面倒なことをやろうとするのは、安田が俳優という生き物を愛し、信頼している証拠だろうと思う。

ただ、俳優としては非常にしんどい。
「やったつもりと見えたはず」いう言葉があるように、自分の事を客観的に見るということは、とても、とても難しいからだ。何をやってもうまくいかない時は、思考の罠にはまっている事が多い。そういう時は、原点に立ち返る。

この役は、このお芝居の世界に何をしに来たのか?
どうしてこの芝居に出ているのか?
どういう役割なのか?
一体・・・・誰なのか?

結局それがわからないと、どう読むか、どう立ち振舞うかが決定できない。

まあ、それは実生活における命題でもありますね。私は一体誰で、何のためにこの世に中に生きているんだろう?それは、生きている人はみんな考えることだし、それが人間だもの。なんか相田みつおさんみたいになっちゃいましたが(笑)

つまり俳優は、自分とは違う人を、もう一人作んなくちゃならない。だからしんどいのはしょうがないし、おいそれとは掴めない。どころか、もう一人作るなんて奇跡みたいなことなのだ。

劇場でお会いしましょう。奇跡が起きたかどうか、見に来てやってください。

倉品淳子

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