14/02/22
とある日のこと
「祥子、メインの≪ルパム≫の構成なんだけど…今のままだとやっぱダメだと思う。もう1回何か考えてきて。」
と優しい笑顔で演出の淳子さんに言われた。
必死に考えた。
あいつはこの振りが上手いから、前の方でやってもらおう。
こいつはカウントが取れないから、なるべく目立たない所でやらせよう。
このままじゃ動きがないから、移動しながらできる振りを入れよう。
iPodで曲を聞きながら、頭の中で人を動かし、構築しては壊してを繰り返す。
悩む。
悩む。
悩む。
iPodの音楽がいきなり、うるさい電子音に変わる。
…夢か。
寝たはずなのに疲れの取れない、余計に疲れた身体で、稽古場に向かう。
やっぱりダメ出し。
正直、自分の出来なさ具合にはヘコむ。
でも出来なければ、自分のシーンがカットされる。
出番が欲しい。
じゃあ、やるしかない。
今の私を動かしているのは、そんなエネルギーだけ。
どうにかしなければと、必死で、もがいている。
あれ?
もしかすると、今回の芝居の登場人物たちって、今の私に近いのかもしれない。
等身大の私にしか出せないもの、あるのかも。
本番まで5日。
もっと自分と向き合ってみよう。
菊地祥子