14/03/17
『ここから、ここから!』
いよいよ『ヘッダ・ガブラー』本番まであとわずか。
今回、相手役とのやり取りがこれほど面白いと思ったことはありません。
そして同時にこんなにも怖いと思ったことも…
少しでも嘘が入ってしまうと、とたんに歯車が狂い全体が崩れてしまいます。
『ヘッダ・ガブラー』、なんとももろく繊細な作品です。
一人で稽古して、いろいろ妄想を膨らまし、こうやろうと決めて挑んでも、なかなかうまく流れません。
ヘッダの大切にしていることはどんなことなのか?
なぜこんな言葉を言ってしまうのか?
役の芯をみつけ、余計な事を考えずにただそこにいること。
何もしないこと。
そして相手との関係にゆだねる。
そうすると勝手に動き出すんだなと。
今ここで動きたくなったら動いてみれば良いんだと。
当たり前のことに今さらながら気付きました。
ただこれはとても怖いです。
どうしても何かしなきゃ、こうしてやろうという意識が先に働いてしまいます。
その意識は私であってヘッダがそうしているんじゃないのに…
今回、今までと違う感覚で舞台に立っています。
何も考えない。
毎回、身体中がゾクゾクします。
怖さと、どう転がるか分からないワクワクとした感じの不思議な感覚です。
他の出演者もそうなのではないかと思います。
今まで見たことない表情をみたり、聞いたことのない声を聞きます。
毎回やり取りがとてもスリリングです。
本番ではどんなやり取りが生まれるのか!?
よりスリリングな舞台を目指して
ここから更に進化しそうです。
山の手版『ヘッダ・ガブラー』ぜひ楽しみにいらして下さいね。
山口笑美