14/06/16

にごりえ

『三井穂高について』(俳優紹介)

最初に「おっ」 と思ったのは、研修生時代の《ものまね》 発表でした。なんと素朴に、おかしく人間を観ているのだろう、と感動した覚えがあります。その後何作かのものまねでも、独自の視点が爆発していて、こりゃあすんばらしい逸材だ! と思ったものです。入団してすぐの若手公演「牡丹燈籠」でもコメディエンヌぶりが炸裂していました。

劇団員となって一緒に芝居をつくっていると、すごい不器用な奴! と気づきました。私も負けない不器用なので、つい人ごととは思えず、いろいろ口を出してしまう…。すまん。
そして、恐ろしく天然ボケです。劇団のお母さん的な役割を担っているにもかかわらず、受験票を持たずにセンター試験に向かい、ショックで家に帰っちゃうというような素っ頓狂なミスをするので、放置厳禁です。

泥臭くて貪欲で負けず嫌い。今までの人生悲喜こもごもが穂高の中でほどよく熟成されつつあるようで、最近よい顔をしています。これだけポテンシャルの高い女優が、山の手にはいるのだ! というところを、今回は魅せていただこうと思っております(ニヤリ) 。

大久保美智子

14/06/15

にごりえ

『スコール並の汗』

先日、天気予報を聞いていたにもかかわらず、スコールに遭遇。頭から足先までびっしょりになり、危うく風邪をひくところでした。

さて本番に向けて徐々に稽古漬け。身体訓練の汗、発声の汗、冷汗、心の汗、目から鼻からの汗、色んな汗が稽古場に滴り落ちています。スコール並にびっしょびっしょです。

さて、作品の『にごりえ』ですが、辞書で調べると、「濁り江」と漢字で出てきます。意味は“水の濁った入り江や川” 今の稽古場のようです。

物語は娼婦お力にスポットを当てた群像劇ですが、それぞれの人物は何か立ち行かないことを抱えています。どうしていいかわからず留まっている者。もしくは意図してない流れに巻き込まれていく者。自ら破滅の道を選んでいく者。こちらも濁った入り江のようにすっきりしません。

自分達の人生にも重なるこの先どうなるかわからない雲行きの怪しさがあります。明治も今も変わらない心の中の衝動。自分の伝えたい事は何なのだろう、やりたいことは何なのだろう、と自問自答する若手メンバーの姿と重なります。

「思い切ってやれやれ! 」という
登場人物の1人、結城朝之助の言葉が心に突き刺さります。

後はないので思い切ってやるのみ。

日本の夏と共に、若手メンバーで織り成す『にごりえ』を劇場に体験しにきてください!

にごりながら(笑)、お待ちしております。

植田麻里絵

14/06/14

にごりえ

『谷 洋介という男』(俳優紹介)

寡黙な男である。
どれだけ寡黙かというと24時間一緒にいて一言も発しない位だ。
プライベートな話など聞いたことも無いし、挨拶でさえ怪しい。

動きが遅い。
体重は軽いのに動き出しが滅茶苦茶遅い。
彼の周りだけ無重力の世界に見える。
パンの袋を開けるのに費やす時間は無限大。

表情が無い。
整った顔立ちなのだが、視線は前を向いたまま動かない。
口は常に閉じたまま。
生まれた時もこんな表情だったのだろうというポーカーフェイス。

そんな彼が舞台上では光り輝く。
良く喋り、良く動く。
堰を切ったように暴れ回り、リアクションもしてくれる。
顔芸を用いギャグもかましてくれる。

近々作品の重要なポジションを担うのでは、と予感させてくれる。

若手男子トップの男(入団順が)

谷洋介である。

川村岳

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