07/02/20
「やかんであれ!」
どうも、自分のシーンがカットされる恐怖と肉体的な疲労とで心も体も満身創痍の岩井晶子です。
稽古も佳境に入って参りました。
時間の多くは転換稽古と全員でのシーン稽古に費やされ、個人の稽古は後回し。
公演前は仕方ないことではあるんですが、これがキツイ。
稽古しないと、つかんでいたと思っていた役の勘所がすぐにするりと逃げていく。
そのくせ、エチューダーからはカットだの、変更だのが出されて、即対応することを求められる。
もう、あっぷあっぷですわ。
なかでも、消えて怖いのが役の魂。ホントの根っこの部分ですね。
これこそがお客さんに伝えたいことですから、このために段取りを組んで、百発百中、最短距離で舞台で表現できるようにしていくんですが、
繰り返す稽古の中で、かすんでいったり、ブレていったり。
そうすると、演じていても『これじゃないっ!』って迷いが出てくる。元気が出ない。
そんな私たちを見かねて安田さんが話してくれたのが、やかんのはなし『どんなにいい体をしたストリッパーでも、ばーん!と見せられたら、はいそうですかってかんじ。隠す気持ちと、見せる気持ちがあるから客は引き込まれる。役者も、感情の放出だけでは客を引き込めない。
沸騰したやかんの蓋がカタカタいっているように、あふれ出しそうに動いている内面を同じくらい強く外から隠そうとしている、でも漏れ出ている、といった力の拮抗に客は引き込まれるんだ』と。
あぁ、そうありたい。やかんどころか圧力鍋になりたい!!
残すところあと3日。
この二年間を沸々煮詰めて、濃ゆいところをお出しします。
岩井晶子