公演を終え、やり切ったという感覚より、もっとやれたのにという反省の気持ちが強いです。
もっと違った感情で受けることができたのでは、もっと共演者を見ていい間をつくることができれば更に面白く落とせたのではないか、お客様が笑う隙間を作ることができればウケたのではないか。
今でも朝「春琴しよう」公演のために、稽古しなければと目覚めてしまうことがよくあります。公演は既に終わっているのですが...
そんな反省の日々の中、「春琴しよう」を観劇にお越し頂いた友人達からの声は意外にも、「パワーをもらえた」「面白かった」「刺激になった」「輝いていた」「次も観たい」との好意的な感想を数多く頂き、とても驚いています。
自分の演技はまだまだまだ改善できる点だらけにも関わらず、こういった声を頂けることは嬉しいです。
今までは、好きだからという理由で演劇をやってきました。しかし、「春琴しよう」の公演をやってわかりました。
単なる好きで演劇をやるのではなく、観て頂く方に刺激や面白さを提供するために演劇をやりたいと思っている自分を。そんな自分に気がついたことが公演の最大の成果なのかも知れません。
1年間の研修プログラムは終わりました。しかし、お客様に刺激や面白さを強く感じて頂ける演技にはまだ沢山の課題が自分にはあります。
しかし、何が自分に足りないのかを身をもってわかるようになってきたことが、この一年の大きな変化です。
道はまだスタートしたばかり、これからも自分の演技を追求していきたい。
それが研修プログラムを終えての率直な感想です。

2009年度研修生 坂野 寛

この一年において
自分を壊せなかったのが
心残りです。
これから演劇をやっていく上で
自分を変えていかなければ
どうしようもないと思いながら
どうしようもできない一年を過ごし
もどかしいばかりでした。
山の手には
様々な稽古があります。
その稽古のひとつひとつを学びきれなかった
という思いが
自分の心のなかに存在します。
そのなかで
演劇を楽しむ
まずはキチンと
役者としての演劇の楽しみ方を
覚えていこうと思いました。

2009年度研修生 石原 宏是

研修生活のこの1年、色々厳しかった…。
身体訓練等、体力的に厳しかった…春
自分のあまりにも出来なさに悔し涙を流した…夏
どうすればよいのか分からず、路頭に迷いまくった…秋
すべてがふっ切れて演じることが楽しくなった…冬
流した涙の分だけ、自信がついた。
演じることが楽しくなった。
自分に足りないこと、課題が具体的に分かった。
あとは前に進むだけ。
本当に得られたものが大きい1年でした。
どうもありがとうございました!!!

2009年度研修生 中村 倫子

以前、恩師から「自分は、自分が思う程実力がない事を常に自覚しなさい。それは強みになるから。」と教えられた。
その時は、それを理解していたつもりだったが、今思えば何を理解したつもりになっていたのか自分でも甚だ疑問だ。
なぜなら、ここに来る前の私のモットーは『自分の負けは認めない』事だったから。
言葉にすると立派なこのモットーは、実は翻訳すると『苦手な事には挑戦しない』という事だったりする。
しかし研修生になってからは、やる・やらないの選択の余地なく次々と難題に優しく突き落とされた。
私は盾と思い込んでいたモットーをかなぐり捨てる他なかった。
ルールは手探り、攻略の仕方も合っているかわからない、何とか乗り越えられたとしても、どうしてそうなったのか追求しなければ、次の難題を乗り越えられない。
そうこう考えているうちに、また優しく難題に突き落とされる。
自分の負けを認めざるを得ない場面の連続。
今までの私のやり方からしてそれは苦しい事以外の何でもない事だった。
負けだらけの底辺にいる事に気づいた私が今、確信をもって言える事は、やっと何かから目を覚ます事ができたという事。
恩師の言うように、自分のいる場所を認める事は、何においても強みになると思う。
私はやっとスタートラインを探しだせた。
この一年終えてみて、そんな感触が確かにある。

2009年度研修生 村田 明香

かけがえのない仲間たちに出逢えた一年だった。

あれは、去年の5月。
ルーマニアへ旅立つ直前の劇団員の方々と同期となる仲間の前で、私は挨拶をした。
しかしながら、周りに少し遅れて研修生となった私をエチューダーの二人と仲間たちは快く迎え入れてくれた。

仕事で稽古に出るのもままならないこともあった。
それでも仲間たちは、優しく、ときには厳しく、受け入れてくれた。
そんな仲間たちと、修了公演というひとつのゴールに向かって最後まで走ることができた。
それが何よりも嬉しい。

自分というものを知る一年でもあった。

課題や稽古がうまくいかなくてへこんだり悔しかったり、自分の無力感にどうしようもなく落ち込んだり、思い返せばキリがない。
それでもここまでやってこれたのは、同じ苦汁を味わい、ライバルでもある仲間たちがいたから。
暖かい目で見守ってくれたエチューダーの二人がいたから。
心から感謝いたします。

ここで過ごした一年間は、私の大切な宝物だ。
役者として、人間として、どう生きていくのか。

これからは、そのことを見つめ続けていく人生を送ることになるのだろう。
簡単に手に入れることができないものだからこそ、演劇っておもしろい。

 

そんなことを学んだ一年間でした。

2009年度研修生 中澤 美穂

山の手事情社で過ごした研修プログラムの一年間はとても濃密なものでした。今まで何となくやっていた発声、体の使い方なども丁寧に一年を通して見られるこ とで、自分自身変化を感じることができました。山の手事情社では、日常の稽古から常に本気であること、自分の限界に挑戦し続けることが求められました。今 後お芝居をやっていく上で一番重要なものを山の手事情社で学ぶことができたと思っています。

2007年度研修生  星 真弥 ENBUゼミナール横山仁一クラスを経て、山の手事情社研修生に参加。 研修生修了後、学習院大学文学部哲学科に入学。

山の手事情社の稽古で「歩行」というのがある。
山の手事情社の《四畳半》という演技スタイルにおいては、アクティングエリアにたどりつくまでの重要なものだ。自分が研修生だったときには、歩き出す前「その一歩を大事にしろ」とよく言われたものだ。
現在、僕は演劇に限らず、舞踏もやっているが、そこでも「一歩目を大事に」と言われ、僕には同時に研修生だったときのエチューダーの声が聞こえてくる。
振り返ると、舞台芸術に関わるための一歩が山の手事情社の研修生だったかもしれない。
進んでしまったらもう止まらない一歩。じっと両足でたっていたところを背中を押されてか、何かに惹かれてか、もしくは自らの意志かもしれないこの一歩がこの一年にはあると思います。

2004年度研修生 土肥 圭史 DHP主宰。(時間と肉体を模索する舞踏団体) 黒藤院 蝉丸師事。2007年より黒藤院公演に参加。

掴み所のない感覚で10年近くお芝居をやってきました。正直少し息切れしていた私ですが、山の手事情社での研修の一年が新しい力となり、現在公私共にとても充実した生活を送れています。本当に感謝しています。

2003年度研修生 平石 実希 明治学院大学社会学部社会学科卒。研修生修了後、新潟市芸術文化振興財団の臨時職員を経て、2006年7月りゅーとぴあ レジデンシャル・ダンス・カンパニーNoism(ノイズム)のカンパニーマネージャーを務める。現新潟市芸術文化振興財団職員。りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館事業課 舞踊部門所属

まだ学生だった僕にとって山の手事情社は大人がたくさんいる演劇の現場でした。
実 際、半年間では技術なんか身につきはしなかったのだけれど、たいして中身が無い頭を抱えて悩んだり、くだらない工夫をして笑ったりした経験が思い出されま す。その経験は、自分の能力に向き合うようになるためのきっかけとなりました。社会的なものから外れたところで考えると、自分が本当に生きていくことを探 そうとする、とても長い時間が待っていました。同じように感じている仲間と、そして自分より長くそんな時間を過ごした大人たちと付き合えたのは僕にとって 貴重な時間でした。

1996年度研修生 中井 尋央 1997年カルタゴ国際演劇祭より劇団OM-2に参加。以降すべての国内公演、海外公演に主要なメンバーとして参加する。またダンサーとしてクラシックバレエ公演、現代舞踊作家振付作品等にも出演する。

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