14/03/14
『この芝居おもしろい! 』
この前、『ヘッダ・ガブラー』の稽古を見学した。
私はそもそもこの『ヘッダ・ガブラー』が苦手であった。ストーリーは面白いけど、登場人物と時代背景がいまいちピンと来ないし、台詞が膨大に感じられ、あまりストーリーが展開しないように思われ、飽きてしまう。または退屈に感じてしまうのだ。
それがこの前のヘッダ稽古を見学していたらそんなモヤモヤが吹き飛んだ。
身体をよく動かし、熱気で頭がやられそうな稽古場が目を覚ましてくれた。
この芝居おもしろい!
要は観客にどう見えるかだ。どう感じられるかだ。どう伝わるかだ。
今この人怒ってる! 喜んでる! あ、この人魅力的だ! とか、お客さんが手に取るように分かるかどうかだ。
この芝居、そこをどれだけ盛り込めるかがカギだと思った。
台詞の量にやられてしまうと何でもない退屈な芝居になるが、ちゃんと盛り込んでいけばとっても素敵で愛せる空間になる!
……………と、一人で勝手に確信してました(笑)
でも、お客さんの目線って案外わかりません。
舞台上でテンションあがって熱狂しちゃうと余計見えづらくなってくる。
これがなかなか難しい。
やっぱり日常生活から自分の振る舞いが相手にどういった印象を与えているのか、その人の心の状態を逐一把握する能力が必要だと思う。
相手にどう伝わってどう感じられているのか把握できてないということは相手の気持ちに気付けていないということで、 相手の気持ちがわからない人はここの目線が足りないから演劇に向いてないのかなって思った。
そんな事を見学しながら考えていました。
山の手事情社公演、『ヘッダ・ガブラー』よろしくお願いします。
高坂祥平