14/10/30

社会人WS

社会人ワークショップ第7弾 リポート8

3回目の担当は浦。前回のテーマ「声を届ける」を更に深め「相手に思いを届ける」ことについて、探っていきます。

他の生き物と違い、人間は言葉の意味を理解します。
ですので、セリフを言う時もその意味に囚われてしまい、言葉の裏に隠れた身体や精神状態を後回しにしがちです。
たとえば「おはよう」という言葉一つとっても、「あ、寝不足だな」「何かいいことあったな!」「イライラしている?」など、 話し手の精神状態が、「おはよう」という言葉とともに伝わります。
セリフの場合は、奥に潜んでいる精神状態を探求して伝えなくてはいけません。
ここが、セリフの面白いところであり、難しいところ。
演劇をやる上で、はずせない大事なポイントです。

まずは、届ける思い・感情をがっちりつかむメニューに取り組みました。
山の手事情社ではおなじみの、《歩行》(スローモ ーションで歩く)、《二拍子》(「怒り」や「喜び」といったテーマにそったポーズをとる)。
歌謡曲からクラシックまで、様々な音楽の助けもかりながら、恥ずかしい気持ちも徐々になくなり、盛り上がっていきます。
井上陽水の「氷の世界」が流れる中、プルプルしながら怒りのポーズをとる様子に、会場は爆笑!

参加者の皆さんは、演じ手の状態が伝わると面白いことが体感できてきました。
ですが、いざテキスト『道成寺』のセリフを言おうとすると、どうしても言葉の意味にとらわれてしまいます。
部屋の明かりを暗くしてみたり、鐘の音を聞いてみたりしてイメージを膨らませ、役の僧達の精神状態に近づけていきます。
息遣いにも注意を払い、集中していきますが、なかなか難しい。
最後はあえて読む人と体の状態を表す人に分け、二人で一役を演じてみる実験に突入。
この実験は、今後も続きそうです。

残り二回、思う存分悩んで、チャンレジしてもらう予定です!

三井穂高

14/10/23

社会人WS

社会人ワークショップ第7弾 リポート7

後半コースがはじまりました!
講師は、浦 弘毅と山本芳郎が交互におこないます。

前半では、日常の様々な出来事を振り返るメニューがメインでしたが、後半は、声のこと、体の動かし方、感情の捉え方など、俳優の基礎訓練にチャンレジです。
参加者の皆さんは、少し戸惑いながらも、ベテラン俳優の言葉や動きに興味深々です。
ちょっとした瞬間に見せるお手本には、驚きの声を隠せません。

1回目の浦の回では、「声を届ける」というメニューをおこないました。

声にはベクトルがあるんですね。
特に舞台俳優は、相手役、観客に声を届けなくてはいけません。
日常でも当たり前のように声は出しますが、「声が届いている、届けようとしている」という感覚は、あまり意識しないものです。
浦 の説明を聞きながら、「ああ、そう言われるとそうだ・・」といった感じで、目には見えないけれど声のベクトルを感じ取ることができたようです。

2回目の山本の回では、「《四畳半》をやってみよう!」ということからはじまりました。

山の手事情社では、《四畳半》という演技スタイルを用いています。
簡単に言いますと、話すときは止まる、動く時はゆっくり動く、重心は低く保つ、常に体に不可をかける、というルールがあります。
この動きは慣れるのも理解するのもとても時間がかかるものなのですが、シンプルに、2人組で止まったり、動いたりするだけの動きでチャレンジ!

徐々に、言葉も加えてみます。
止まって「おはようございます」と 話しかけたり、少し発展して、たわいもない会話をしたり。
皆さん、分からないながらも見様見真似でコンタクトを取り始めています。

ある程度会話したところで、山本から次の段階の説明が入ります。
「《四畳半》という動きは、自分が勝手に動くのではなく、相手に動かされているんですよ。」
どういう事?! と混乱しながらも、今度は2人組で向かい合って、片方の腕と腕を合わせて、ゆっくり押したりひいたり。
相手との力の関係を変えないようにしながら、ひたすら動作を繰り返します。
気がつくとじっとりと汗ばんできました。

そこに更なる説明が!
「相手の動きを感じたり、自由に動くためには、とにかく背骨が大事なんですよ。」

あっという間に背骨がほぐれるストレッチを体験しながら、背骨の中に自分の今まで意識してないなかった箇所があることを発見します。
このように、メニューを通して次々に今までとは違う体や感覚の捉え方を体験しました。

最後は『道成寺』の戯曲の一部を読んでみました。
山本からの指摘をうけ、どんどん変化していきます。
世界観を共有できたチームの読みは、聞いていて面白かったです。

次回も様々な取り組みをしていきます!

小笠原くみこ・三井穂高

14/09/28

その他

学生のための演劇サマースクール リポート

先日、学生のための演劇サマースクールをおこないました。
昼から夜までみっちり稽古漬けの3日間、高校・大学・専門学校12校から14名の学生の方が参加されました。

演劇の楽しさと共に自分の可能性を探り、普段何気なくおこなっている訓練にどのような意味があるのかを知り、魅力的な空間を立ち上げるのが目的です。
もちろん普段接しない他校との交流も刺激的だったようです。

最初は慣れない場所・メンバーに緊張していましたが徐々にほぐれ和やかな空気の中スタート。

《山の手メソッド》は身体が資本。
まずは柔軟や筋トレを経て身体を温めてからの発声。
《平行》《二拍子》というメニューでは、強い感情を伴ったポーズをつくってみる。すぐにポーズのネタが尽きるがここからが勝負。自分の気付いていない伸び代がまだまだある。
《歩行》という歩くメニュー。歩くことがどのようなメカニズムで成り立っているのかを知り、癖を排除してコントロールする。「いつも歩いているのに意識すると歩けない…」と困惑。
《フリー・エチュード》という即興でおこなうゲーム形式のトレーニングでは、瞬発力・発想力・実行力など求められる能力は様々。

毎日最後には《ショート・ストーリーズ》(寸劇)をつくります。チームに分かれて1時間の創作を経て発表です。
創作現場では自分の意見を言うことが大切。アイデアを出し合いやってみる。
場所は? 時間は? 関係性は?
ドラマを自分達でつくる楽しさと難しさに四苦八苦するメンバー。
「頭の中では上手くいったのに実際やるとおかしな事になる…」との意見も。

発表後は必ずフィードバックをおこないます。
「何故上手くいったのか or いかなかったのか」を分析するのはとても大事です。
「俺ってそういう風に見えてたの?」
「稽古では見たことのない顔が見れた」
「高い集中でやってみると上手くいった」
など感想は様々。

最終日には稽古場で軽い打ち上げをして名残惜しくも解散。

学生だから・若いから…とか関係ない、暴れたい欲求は誰にでもある。演劇はそれが許される。

「とにかく信じられない位楽しい3日間でした」(参加者・談)

学生の皆さんお疲れ様でした!


川村岳

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