ワークショップ
劇団 山の手事情社では新たな人材発掘と俳優の能力向上を目的として、1996年から俳優養成プログラムを開始しました。
私たちは俳優に必要なこととして、技術だけでなく、自分自身を知ること、他者の考えを受け止め、同時に自分の思いや考えを伝えること、ドラマにかかわる感性を磨くこと、演劇に関連する知識を持つことが重要であると考えています。
そのために、独自の稽古方法《山の手メソッド》を体験し、公演のスタッフや出演者として関わっていただくのが有効であると思っています。
研修期間の中で、舞台に立つ心構えや、舞台の魅力と厳しさを身をもって知っていただき、発表会を経て、プロの俳優としてのスタートラインに立てるよう指導していくプログラムです。
山の手事情社が考える「俳優に必要な能力」。
これらを具体的に伸ばすために《山の手メソッド》を用いて研修を行なっていきます。
《山の手メソッド》は、山の手事情社が独自に開発・アレンジした俳優のトレーニング方法で、日本各地で実践的なワークショップを開催しています。
劇団 山の手事情社は、大きく分けて、以下の能力が必要と考えています。
《山の手メソッド》は、私たちが独自に開発・アレンジした俳優のトレーニング方法です。
徹底した自己観察を通じて、現代生活でにぶりがちな対話能力や身体感覚を研ぎ澄ますことを目的とし、舞台を作る上での俳優の基礎教養として、劇団員になっても日々行なわれています。
2014年度修了公演『ダイバー』 Photo by Bozzo
ごく基礎的な《柔軟運動》《筋力トレーニング》《発声練習》などです。
《柔軟体操》・《筋肉トレーニング》
《発声練習》
強い感情のもとでは、なめらかに動くことや、発語することが困難になります。その克服を目的としておこなわれる種々のトレーニングです。動作の基本《歩行訓練》、強い感情で発語する《感情滑舌》、さまざまな感情に合わせて身体や顔の表情を作る《二拍子》など。ほかにも、日常の動きをどのように演技に結びつけるのかを考えたり、身体を使って想像力を増幅する訓練などがあります。
《歩行》
《感情滑舌》
《二拍子》
《ルパム》
現代の日本人には、これといって皆が踊れるダンスがありません。バレエ、日本舞踊、ジャズダンスなどを踊るには、特別に習わなければなりません。それならば日常的な動作からダンスを作ろうと、自分たちで発想した動きを組み合わせて踊りを作る訓練です。《ルパム》とは、リズム(R)、プレイ(P)、アクト(A)、ムーブ(M)の頭文字をつなげた造語です。
《フリーエチュード》
即興性を鍛えるトレーニングのこと。その時、その場でできる限りのことを考え行動することが、舞台では求められます。それに必要な感覚を磨くことが目的です。ゲーム形式で行なうので、楽しみながら次第に高度な振る舞いができるようになります。
《ものまね》
身近にいる印象的な人のものまねを通じて、他人格へジャンプする感覚をつかむ訓練です。他者の特徴をつかみ、歩き方からしゃべり方まで、できるだけ自分ではない人物に近づくことを目的としています。
《ショートストーリーズ》
メンバーどうしで相談し、10分程度の寸劇を作るトレーニングです。私たちの周りには特に「事件」と呼ばれないできごとがあふれています。そうしたドラマを見つめ、再現することが目的です。
研修期間の集大成です。毎年たくさんのお客様がおいでになり、札止めになります。今年も客席の皆さんに喜んで頂きましょう。
2015年度修了公演『燦燦と淡淡と』
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2021年度【劇団員になるための年間ワークショップ】参加者募集中。
詳しくは 専用ページ をご覧ください。