劇団山の手事情社について
演出家、劇団山の手事情社主宰。
1962年東京生まれ。早稲田大学卒業。
1984年劇団山の手事情社を結成。「演劇とは劇場体験にほかならない。劇場体験とは、つくり手の持つ抽象的なイメージを生理的に体感することである。その体験のためにすべての演劇的要素は奉仕すべきである。」という理念にもとづき、〈演劇の現代詩〉とも形容される独自の舞台作品を発表しつづけている。
1997年ころより「現代日本人の精神性を、矛盾をかかえた身体の制限された動きによって表現する」《四畳半》という様式の試みを展開させながら、独自の演技・演出法を貫く先鋭的な劇団として注目されるようになり、国内だけでなく、海外での評価も高まっている。
また、《演劇的教養》の敷衍にも力を注いでおり、多数の委嘱公演の演出、全国でさまざまなワークショップの講師、全国高等学校演劇大会・同地方大会などコンクールの審査員をつとめている。
2013 年、ルーマニアのシビウ国際演劇祭で「特別功労賞」を受賞。
近年の主な外部活動は、静岡県舞台芸術センターSPACの委嘱で『走れメロス』を演出(2009年、2011年、2014年)。ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場の委嘱で『女殺油地獄[A JAPANESE STORY]』(原作:近松門左衛門)を演出(2012年)。本作は国立ラドゥ・スタンカ劇場のレパートリー作品となり、年間を通じて上演されている。フランス国立高等演劇学校コンセルヴァトワールでマスタークラスのワークショップの依頼を受け、実施(2012年)。
財団法人演劇人会議評議員、桜美林大学非常勤講師。
「演劇ぶっく」誌上に「正しい演劇の作り方」を長期連載。「テアトロ」誌、「週刊朝日」誌、「TARZAN」誌、「B-ing」誌、「カルチャー・ポケット」誌など連載実績も多数。著書に「ハッピーなからだ」(洋泉社刊)。