09/07/08
部屋とルーマニアと私
三村です。
シビウで泊まったホテルは、
とても立派なホテルだった。
部屋も広いし、浴槽も大きい。
おぉ快適、こいつぁー良い感じ。
部屋にはコースターの敷かれたグラスも置かれていた。
一日の仕事を終えベットの上で、清潔なグラスに注いで飲むルーマニアビールは格別に美味しかった。
翌日、やはりハードな一日を終え部屋に戻り、今夜も
清潔なグラスでビールと洒落こむかと
手にしたグラスは、昨夜飲んだままの
曇ったグラスだった。
んもう!お掃除のおばちゃんったら、
ウッカリ屋さんなんだから〜と、翌朝は見落とすことが
無いように使ったタオルと共に絨毯の床に直置きして
出て行った。
夜、グラスは所定の位置にちゃんと置かれていた。
昨夜飲んだままの曇ったグラスで…。
エェッ!?
お掃除おばちゃんからの強烈な返歌と受け止め、
それ以降はされるがままに過ごした。
日本の常識は世界の非常識、なのであろう。
ブルチャでのホテルは高台にある、とても
アットホームな雰囲気漂ったくつろげるホテルだった。
一日の仕事を終え、メンバー達は同じ階のそれぞれの部屋へ帰っていく。
それぞれ部屋の鍵を開けながら、「おつかれさま〜!」と絶妙のタイミングで別れの挨拶をしながら。
…しかし、鍵が、開かない!?
ガチャン!だけでは容易に開いてはくれない鍵。
ガチャン、ガチャガチャ!ガチャン、ガチャ!
なんなのコレ?ガチャン!!
絶妙のタイミングで別れの挨拶を交したはずの
メンバー達が、一様にドアの前で必死にガチャガチャ
やり続けている光景。
これが毎日。
アナログにして強固なルーマニアのセキュリティ、
恐るべし。
ブカレストでのホテルは、大都市にふさわしい
洗練された素敵なホテルだった。
数日宿泊後、部屋のエアコンからポタポタと水滴が
落ち始めた。
ベットのシーツがみるみる間に水浸しになっていく。
慌ててフロントに電話したところ、すぐに
常駐メンテナンス・スタッフをよこすとのこと。
数分後、ノックと共に巨漢のメンテナンス・スタッフが
現れた。
身ぶり手ぶりで水漏れの状況を説明すると、
暫しの思案の後に彼はエアコンのリモコンを手に取り、
裏返して蓋を開け電池を2本取り出して左右を
入れ換えて再び納めて蓋を閉じ、
全てが終わったかの如くこちらを向いて
「OK?」
と言った。
愕然とした。
ガキの使いか!?
全てを諦め、早々に部屋からご退出頂いた。
そして考え直す。
エアコンが使えないなら我慢すれば良いのだ。
自然にあらがおうとした自分が悪いのだ。
考えてみればほとんどの大用トイレに
鍵が付いていない国なのだ。
ちいせぇ事でガタガタ言うなよJAPANの男。
異国は人を成長させてくれる。
カルチャー・ショックをありがとう。
ルーマニアは素敵な国でした。
三村 聡