08/04/23
泡犬
皆様はじめまして、新劇団員の浦浜亜由子です。
『摂州合邦辻』に対する思いと言えば、
一言では言え無い思い出が多々ありました。
山の手事情社に関わって、初めての作品というのもあるのですが、私は小道具担当をさせて頂いたため、
出演者の方々の作品作りの真っ只中にいさせて貰う、
貴重な体験をさせて頂きました。
この作品、やたら物が多い!
種類別にざっと数えても、70以上はあります。
大きい物から、縫い針の様な小さな物まで、
稽古の度にセッティングする事に追われまくってました。
道具といってもお芝居を作る為の物、
置き方一つで演者さんの演技のスイッチが変わってしまう。
何度かやっていく内に、そういう事にも頭を回す様になったものの、物を無くさない様にするだけで一杯一杯。
何度みた事か。
板付きの道具がセットされておらず本番が止まった悪夢!
ギャア〜〜!!
実際稽古場で何度かやってしまって、
もうここには居られない!
と、荷物をまとめそうになりました。
そんな怖い思いだけでなく、楽しい仕事もありました。
それは泡作り。
作品中、男優さん演ずる犬達が、頭に泡をのせて登場するのですが、キュートです。
カッコかわゆい、というやつですか?
黒ずくめのハードな出で立ちに、何故か泡。
俳優さん個々の乗せ方の違いでキャラクターの違いが見えてくる様で溜め息もんでした。
中でも初演時のラスト二日目。
その日は客席から見させて貰ったのですが、
山本さん演ずる犬の、泡の形に目を奪われてしまいました。
今まで見たことの無い形!
非常に美しい泡のオブジェ!
が完成しているではありませんか!
そうか山本さんはこの形を探していたのか。
なんだか目の前が、サァ〜と開けた様な気になりました。
とはいっても、どうやったらあんな形が作れるのか、
見当がつかないのですが...
よッヨシ、初演時以上の泡犬を出現させるぞ。
是非とも相模大野でお確かめ下さいませ。