お知らせ

劇団から 2020/04/02

研修プログラム修了公演『オドラデク』の公演中止のお知らせ(4/2)

odradek

平素より、劇団山の手事情社公演にご愛顧賜りまして、誠にありがとうございます。

このたび、劇団員で慎重に協議した結果、今回の『オドラデク』公演は中止させていただくことに致しました。公演を心待ちにされている皆さまには本当に申し訳ございません。また発表が直前になってしまったことも併せて深くお詫び申し上げます。

この結論に至るまで、当劇団としては、公演を何とか実施すべく、当日ご来場いただくお客さまに対してできる限りの方策を立てて参りました。また新型コロナウイルスの報道が過熱する中で、公演実施・中止を含め、どのように対応するのがよいのが、連日話し合って参りました。

3月に公演の延期を決めた当劇団の公演『桜姫東文章』と、今回の『オドラデク』とが違うのは、『オドラデク』は、研修生の修了公演であり、延期が不可能であるということです。研修プログラムは1年度ごとの事業です。研修生は昨年5月に入団し、1年間基礎的な稽古を行ない、昨年末より『桜姫東文章』の製作を手伝いつつ、修了公演に向けた芝居作りを並行して行なって参りました。メンバーは修了公演後、劇団に残る者、去る者、それぞれの道を歩むことになります。新学期から大学に復学する研修生もおります。延期という選択肢は遺憾ながら用意できないのです。

研修プログラム修了公演の目的は、この1年間の活動成果を、研修生のご家族・ご親戚、友人・知人の方に、また当劇団を応援してくださっている皆さまにご覧いただくことです。そして研修生個々が今後劇団員として活動を続けるべきかどうかを、劇団メンバーが判断する場でもあります。

先ごろ、出演者である研修生に、彼らの周囲の反応について尋ねる機会がありました。「当然見に行く」と答える同年代の比較的若いお客さまが一定数いる一方で、「今回は遠慮しておく」という年配のお客さまの数も少なくなく、「そもそも出演者であるあなた達は大丈夫なの?」と心配してくださる声もあったと聞きました。

公演実施ということになれば、行くべきかどうか逡巡される方も少なからずいるのではないかと推測されます。可能性はかなり低いと思われるものの出演者、あるいは劇団関係者がご来場のお客さまを感染させてしまう可能性もゼロとは言えません。私共も、時には満員電車に乗り、やや込み合ったスーパーで買い物をする日常を送っており、隔離生活をしているわけではないからです。

劇場を「肝試し」の場にしてはならないと考え、公演を中止すべきではないかと判断いたしました。

劇団員選考の意味合いから、現在稽古を続けている『オドラデク』は、稽古場で衣装をつけ、道具や音響・照明も可能な限りしつらえ、感染対策を徹底した上で、劇団員だけを対象に内部発表会を行なう予定です。大変申し訳ございませんが、上記のような理由から外部の方のご来場は、一切お断りせざるを得ません。

ただ、この発表会を映像にとどめようと考えております。その映像はぜひ、今回ご来場を予定されていたお客さまと共有できないものかと考えております。共有の方法等については、改めてご連絡を差し上げる予定です。

今回はこのような内容の、そして時期の発表になり改めてお詫び申し上げます。私共も残念でなりません。何卒私共の趣意をご理解賜れば幸いです。

一日も早い終息を祈ります。皆さまどうぞご自愛ください。

2020年4月2日
劇団山の手事情社 主宰 安田雅弘

【お問合せ】
劇団山の手事情社
03-6410-9056
info@yamanote-j.org

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