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中川 佐織演出ノート谷 洋介

交交(こもごも)/2021.2

『交交』というのは、入りまじるさま。また、次々とやってくるさまを表します。

今年度集まった研修生は、全員女性です。本当に演劇が必要なの? という20代の若者たちと、演劇ばかりの人生だったんだなというおばちゃんが集まりました。
彼女たちは、「否定」ということをしない。
出してくる稽古のネタやシーンは「平和」なものばかり。
良い家庭でちゃんと育ってきたことが言葉の端々から感じとれる。
日常とは変な世界で、自分も変なんだということに気づいてないのか?
毒気がなくて何が楽しいのか? 生きていてつらくないのか?
なぜ演劇なんだろう? 演劇で彼女たちの何が変わるのだろう?
私は演劇的なしかけとして、彼女たちに年を取らせることで彼女たちの「平和」を「否定」してみようと思う。
「今」が永遠に続いていくんだと言わんばかりの彼女たちに、「今」は一瞬でしかないということを痛感してもらいたい。

交わるようで交わらない、変わっているようで変わっていない。
懐かしいと気づいた頃には、時が経ち、彼女たちは老いている。

どうぞ、お楽しみください。

構成・演出 中川佐織

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約1か月前から私は本格的に稽古に参加した。
今年度の研修生は、女性4人。

コロナ禍の中、集まった4人だからさぞかしギラギラしているのだろう、と思っていたが、とってもやさしい真面目なひとたち。しかし、稽古を見ていくうちに少しずつ、おかしな4人だと気づく。

楠 夏野
 普段はとてもおとなしい女の子。
 しかしネタがなくなるとすぐ下ネタを口走る。中学男子か!
酒井千秋
 「オッケー!」が口グセの女の子。「わかりました!」だろ!
有村友花
 「もう一回やってもいいですか?(テヘペロ)」が口グセの女の子。
 うるせーつべこべ言わずにやれ!
小西ひろ
 ケガをしないようにすぐ体を守る大人の女性。
 守るな! 暴れろ! と言いたいところだが、言えない。
 マジで骨折とかしそうだから。

そんな4人の『交交(こもごも)』をどうぞお楽しみ下さい。
ご来場いただき誠にありがとうございます。

演出助手 谷 洋介

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