11/01/25

The Dead Father

『自分と旅がしたいか』

ぽちっとアドレスをクリックしたら、
ばばんと跳んでビビりました。
「研修生レポート」から「劇団の稽古場日誌」へ。
本番の舞台に片足出しちゃったような気分です!
研修生の水田菜津美です。

「修了公演・本番」へワンクリックでひとっ飛び。
なんてことは出来なくて、
そこに至るまでの旅路を現在進行中。
私の中で『The Dead Father』の全体的なイメージは
「砂漠の旅(行進)」。
私の中では「歩くの苦しい=砂漠」のようです。
インディージョーンズとハムナプトラで育ってきたせいでしょう。

旅と言えば、つい最近見た映画『NINE』に出てきた一言。
「もし自分がもう一人いたら、自分と旅がしてみたい」
ダメダメな主人公に「わかるわかる〜」と共感しまくってたが、
ごめん。それだけは、ごめんだわ。
そこだけは、共感できないわ。
もう一人の自分と旅をするなんて。
静かーで、暗い二人の姿が真っ先に思い描けてしまう!
と思っていたのだが。
数日たってふと「意外と面白いんじゃん?」と思えてしまった。
誰かと会話する『自分』を観察するとか。
如何にも観光地!なイベントに『自分』を参加させて、
気まずそ〜な感じを外からみるとか。
修学旅行の夜のノリで、
『自分』を直接質問ぜめにするとか。
正視に耐えない場面にも出会ってしまいそうだが、
他人な『自分』はいいオモチャになりそうだ(ニヤッ)って、
稽古場でやっていることは、まさに『自分をオモチャにして遊ぶ』ことなのだけど。
ときどき、楽しさより痛みや恥ずかしさや恐怖が先立って、
遊べないことも多いけれど…
知るか!!
舞台上のオモチャは自分だけなんだ!!
あ、あと5人の仲間も。

人と自分をオモチャにしながら、
バカバカしく、真剣に、不真面目に
歩いていきたい2011年です。

水田菜津美

11/01/24

The Dead Father

『修了公演にまつわる話〜研修生編』

「修了公演の題名は、『カレーライス』にするから。」
担当エチューダーの小笠原さんにそう言われたとき、
思わず私は仲間と顔を見合わせました。
研修生全員が口に出すことは出来ないけれどダサ
いと思ってしまったことを、小笠原さんは敏感に感じ
とったようです。『カレーライス』なんて、超庶民的じゃ
ないですか。私達が一年間苦しんで足掻いてきた
ものの最終結果が、何だか所帯染みてくる気がして…。
な、なんで『カレーライス』なんですか。

「カレーライスってどこの家でも絶対作るけど各家庭で
味が違って個性があるじゃん。野菜も素材のままだと
シンプルな味だけど、煮込めば旨くなるじゃん。
いってみれば○○はジャガイモで、△△は人参な訳よ。
ちょっと泥臭いけど、まさにあなた達にぴったりじゃない。」

成る程・・・まだ理論で反論できない私たちは、所詮
泥臭い奴らなんだと認識したところからスタートした
修了公演。今でも強烈な思い出として残っていますが、
その中のベスト3を発表します。


3位
オープニングの寸劇で私を襲う場面の稽古中、相手に
「お前じゃ襲う気がしない」
と言われ、ぶち切れたこと。

2位
イメージシーンのアイデア出しのとき、顔面に生肉を
貼り付けるというレディー・ガガ顔負けなことをやった
のに、内容がなかったためあっさり却下されたこと。

1位
劇団員になって数年経った頃、もう一人のエチューダー
である斉木さんに
「どうして、物真似が本番になるにつれてあんなにつまんなくなってっちゃったの!?(笑)」
と言われへこんだこと。

とまあ、どれも笑い話ですが当時は必死でした。
心の底では、これはあくまで研修生としての公演なのであって、一年間の結果発表の場という認識で挑んだものです。すごく面白かったけど、早く次のステージに進みたかった。確か当時はもう少し規模が小さく、研修生発表会とよばれていました。その『発表会』という名がすごく嫌でした。
でも、先ずは『カレーライス』。これをしっかりやらなければ、その先はありません。

そうです、今回も、先ずは『The Dead Father』!!

三井穂高

11/01/24

The Dead Father

『月日は百代の過客』

早い事で年が明けて、もう半月が過ぎました。
山の手事情社の研修生でいられるのも後ひと月ちょっとか。
長いようで短いんだな。年越しをしていたのが嘘の様で少し怖いです。

稽古中って、時間が過ぎるのを早く感じるものです。
いつの間に!と、思う事が多々あります。
そうなると稽古期間がもっと長かったらと、考えてしまうのは人の性なんでしょうね。
研修生になりたての頃から分かっていた事ではあるのですが、あの頃の自分が思った以上に一年は短くて、でも濃厚で。
こんな至極単純で、誰しもがわかりきってそうな事すらも、自分で体感しないと分らないものです。

やっと、わかり始めた事がある。
直面してる課題だってある。
そのせいで、沢山迷惑もかけてる。
思い返せば心残りばかりで。
そいつらが僕の足を引っ張ってくるし、
今も足を引っ張られている。

誰しもが、自分だけが抱えている問題。
弱みとか、欠点、弱点って言い換えてもいいのかもしれない。そういうものって、どうしてるんだろう?
そっとなかった事にして、二度と見なくて済めばそれが一番だけど。
だけど、そんな事絶対あり得ないのは、よ〜く分かってます。
だから悩む・・・

やっぱり戦って治すのかな?無理やり。
それとも迂回してみたり・・・
何か別の事で補ったりしてるんだろうか・・・

考えれば、考えるほど分らなくなっていく。
分る筈ないのに。
年度末になるといつもこうだ。
こんな自分を変えたくて此処に来た筈なんだけど・・・
おかしいなあ・・・

こんな事で悩んでいても無駄だ!
と割り切る力が欲しいと思う今日この頃です。

増木啓介