09/02/06

デコ

『デコ』/熱いす

演出の穂高さんと衣裳の話をして、今しがたはたと気付きました。
「イメージはイダテンで」、というコメントは、
たぶん「イメージは伊達男で」の言い間違いだったんだろう。
どうりで…。

稽古、毎日スリリングです。



皆さんサーモマグて持ってますか。
飲み物を保温できるアレ。
熱気溢れる稽古場とはいえ季節は冬、いたずらに身体を冷やさぬよう僕も購入してみました。

ところがアイツ構造に問題ありますよ。
保温の為とはいえフタで中が見えず、開いた飲み口はやたら小さい。その上、形は上にいく程広がる緩いすりばち状。

そりゃドバァーて出るでしょ絶対!!
しかも口ちっちゃいから勢いが、もう!
日計火傷率100%。
なるたけ飲み口を使わず、フタを開けて飲むように気をつけております。
あと基本ねこ舌なので、少し冷ましてから飲むようにしました。
いや、便利ですよ。
ソニプラにて、\1,200也。


牧野 謙

09/02/05

drill

『drill』/香川照之研究

野々下です。

今、情熱的に香川照之を研究しています。

2000年カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリ受賞の中国映画 「鬼が来た!」。
かなり追い詰められてます香川照之。
理性とか知性とかを剥奪された獣のようです。
野卑で粗野。自分で判断せず命令と従順という関係でのみで成り立っている日本軍人を火の玉のようなテンションで演じています。

それにしても調べれば調べるほど演出家の姜文(チアン・ウェン)と役者の香川照之の関係が研究者とモルモットの関係に思えてなりません。
ここまで役者とは洗脳され、操作され、自分というものを放棄し、アイデンティティをぶっ壊されてしまうものなのでしょうか?

なんという職業!

自分の精神の核ギリギリまで、人格の根っこまで破壊し、再構築することで別の人間になれるのだ!!
そう言われているようで役者として身の引き締まる思いがします。
つうか引き締まりまくりました!!

自分の常識、習慣、癖、思考・・・。
「自分」というちっぽけな存在を作っている、様々な構成要素を改造して別人を作り上げる作業。
役になるってことはそういうことなのか・・・という考えにいたり、
『drill』で行う作業の仮説がたったようで血が沸き立つように興奮してしまいました。

まあ、それにしても・・
演出家とは恐ろしい生き物です。
そして
役者とは恐ろしい職業です。


野々下 孝

09/02/05

デコ

『デコ』/デコ夢中

『言ってなかったけど、もうそろそろダメだったら
このシーン、カットするよ。』

・・・・・

ガバッッッ!!

「ハァハァッ、二時半か。…寝よう。」



『ワタシ、全く笑えなかったわ。』

・・・・・

グワバァァァッッ!!!

「オォォ、三時二十分…」

寝させてくれぇ。 夢の中まで担当のダメ出しがぁ。
うぁぁ。

疲れの取れない体に鞭打って稽古場に行くと、夢再び。
おいおい、演ってる最中に演出席から大きな×印出してるの見えてるよ。 分かったよぉ。

…でも待てよ、何か俺喜んでないか。
何回もダメ出されて、それでも何とかしようとするこの
状況、楽しんでないか。

うわ、すっかりデコに夢中。
いつの間にか取り込まれてる。

これはスゴイ。
お客さんもきっとデコに夢中になるはずだ。
それだけのパワー、熱量が、この修了公演「デコ」にはあります。
見ないときっと後悔するこの公演、観劇の際はご自身をしっかり保った状態で御来場いただきたいと思います。

でないとデコに取り込まれますよ。


文 秉泰