06/10/07

YAMANOTE TRIP

「YASUDA TRIP」

本日の稽古は前半「ファウスト」、後半「青い鳥」でした。1日に二つも稽古をするのには理由があります。
明日から演出の安田が香川へ市民劇の為旅立ってしまい、しばらく自主稽古が続くのです。(不安だ…)
だからここぞとばかりに俳優は己のプランを安田にプレゼンしました。
それを見て安田は
「おお、それはやり方としてはありと思うと感じちゃったりしちゃったりして…ま、可能性としては未知数だね。」
え? どっち?
もう! 答えは風の中ってコト?
僕頑張るよ。

PS:毎日複雑なスケジュールの中稽古をしてると劇団員に、
今日は「ファウスト」だっけ? 「青い鳥」だっけ? とよく聞かれます。
そんな時は「ファおい鳥」だよ。とか「ファウス鳥」だと答えたら、人間関係がうまくいくと気が付きました。
間違っても「ファウ女青いヴォナ鳥」と答えてはいけません。

安田さん行ってらっしゃい!

川村岳

06/10/05

YAMANOTE TRIP

「斬!」

私、あれ食べたことあるわ。まだ小さかったころ。

ううん、目はとてもいいんだ、お寺の時計の字だって見えるよ。

光は人間の見方ですからね。

誠実にそして勇気をもって私たちのつとめを果たさなければ・・

もうずっと時間のことなんか考えなかった。

じゃあ青い鳥はここに隠れているんだ。

私たちの秘密を知っているたったひとつのもの・・

犬はみんなとあまり仲がよくない。

不幸たちは幸福の花園のすぐ隣に住んでいてね・・

生まれるっていいことなの?



どうも、山本芳郎でございます。
これらの言葉は、今回の「青い鳥」の本番で日の目を見なかったセリフの一部です。
今日は<恒例の>セリフカットが行われました。芝居を通してみて上演時間が予定よりも長くなるようだと、無駄なセリフはバッサバッサと切り捨てられていきます。冗漫な部分をできるだけすっきりとしてテンポをとりもどし、言葉が多く説明的なところを言葉をしぼって密度を濃くします。
長いからといってダメなわけではありませんが、山の手の芝居は一応90分と決まっています。90分という時間の中に、一定の長さの時間ではとても押し込めることが出来ないドラマを凝縮して作品化します。
そもそも言葉と肉体では到底表現しきれないものを、言葉と肉体でもって表現しようとするのが演劇。
なので、時間というものの制約とコントロールはどうしても必要になってくるんですなあ。
そうなると今後の役者の仕事はいわば生まれてこなかったセリフの水子たちの供養ということになります。
きっと山の手の俳優陣は、豊かな表現力と肉体でもってセリフの「行間」を見事に語ってくれることでしょう。

幸せの青い鳥は日の光の中では死んでしまいますが、セリフの水子は本番の舞台で観客の想像力の中で必ず日の目を見るはずです。

今回の「青い鳥」は山の手の集団力と創造力と想像力を駆使した作品です。ご期待ください。

06/10/05

YAMANOTE TRIP

「迷走→暴走→大脱走希望」

大久保美智子です。
早割が始まってまだ2日ですが、早くも売り切れ日が続出。
どうもありがとうございます。本当に嬉しいです!
いま早割でチケットご購入を検討されているみなさま、
そういう訳ですのでどうぞお早めにお電話ください。

ところで。私たちは今、どんな稽古をしてると思いますか?
山の手事情社では俳優がシーンのアイデアを提案していきます。(ご存知ですよね)

なので、俳優同志でコンセンサスを取るのに非常に時間がかかります。
おまけに「青い鳥」はいま、プチ放置状態。
俳優は大海原を方位磁石も持たずにさまよっています。
稽古というと、立って台詞を言って…と想像されるかも知れませんが、
山の手では「立つ」までにとても時間がかかるのです。
何時間も頭をつき合わせて話し合い、やっとスタートライン(立つ)にたどり着くな
んてザラです。

こうやってシーン作りをしていくと、俳優の提案の癖みたいなものも見えてきます。

私はどちらかというと、「核」になる部分をまず定めたい、内堀を埋めたいタイプで
す。
ですが当然、まず外堀から埋めたがるタイプもいて、話しは迷走、シーンは暴走。
状況によってどちらを先にすればよいのかも変ってきます。
ある局面では内堀が定まったおかげで、おのずと外堀が決まってくるし、
また違う場面では、外堀から突破して内堀にたどり着くこともある。
当たり前ですが、だれも正解を知らないのです。嗚呼おそろしや。
まったく当てにならない「自分がおもしろいと感じること」をとりあえず信じて、
みんなを説得するしかないのです。

「稽古ナビゲーション」が欲しい。「Kナビ」。
今そのことについて話すべきなのか、話すより動くべきなのか。
発想の転換が必要なのか、しつこくこだわることが重要なのか。
この役はこのやり方であっているのか、間違っているのか。
「正解」とは言いません、せめて「方角」を!
「Kナビ」があればきっと今の稽古時間は半分に減らせる。
どんなに高価でも「Kナビ」買います! いや買わせます劇団に!! 開発してみません
か!!!

「Kナビ」を持たない私たちは、コンコンと話し続けます。
そうやって「何がおもしろいのか」の感覚を磨くしかない…。
船乗りが夜空の星の明かりで方角がわかるように、私たちも
「本当に見せるべきもの」への嗅覚を磨かなければなりません。

地図を持たないトリップに今はまっているのは、ほかでもない、私たちです。