11/06/10

傾城反魂香/ルーマニア

ブカレスト劇場入り

今回、字幕オペ担当の谷です。
本日、ブカレストのオデオン劇場に小屋入りしました。

ここは歴史のある古い劇場なのですが、屋根が電動でスライドし、野外劇場にもなるんです。ぶったまげました。

順調に仕込みを終え、役者さんたちは明日に備えて早めに上がりました。
残った劇団スタッフは作業を終えたあと、劇場の近くのレストランで食事をしたのですが、このレストランが暗い暗い。

ここだけじゃなく、ルーマニアのレストランは大概暗い。

メニューが見づらいので、ペンライト使いました。舞台裏以外でもペンライトが役立つなんて。

スタッフのみでの食事会は、ツアー中なかったので、何か新鮮な感じがしました。

明日はルーマニアツアー千秋楽。
ぶちかましましょう!


谷 洋介

11/06/09

傾城反魂香/ルーマニア

ブカレスト2日目

シビウ、トゥルダと2都市を経て、
「フィエル・デ・カルカッタ!(アイロン)」
「オグリンダ!(鏡)」
「マサ!(机)」
「ベンティラトール!(扇風機)」
「ウメラス!(ハンガー)」
という極めて少ない単語を駆使し、衣装&舞台裏作りを乗り切っている安部です。後は日本語で言っても何となく伝わるから不思議〜。

昨日、トゥルダを出発し、長時間のバス移動を経てようやく首都ブカレストに到着。
ブカレストは新宿や池袋に似ていて都会だ。夕方になるとそこいらに寝っころがっている人がいてびっくりする。

今日一日はルーマニア最後の自由行動の日、ということで何人かで美術館で現代アートをお見て、チャウシェスクの建てた国民の館を通りすがり、お土産でも買います。

朝10時30分に出発し、タクシーで現代美術館へ。
タクシー2台に分かれて乗車した所、前のタクシーは9レイなのに後ろのタクシーは15レイ。ぼったくられた?
美術館は学生とアーティストは無料ということで、只で見物。なかなか良い作品が多く、とても満足。
帰り道は徒歩移動。
すごい突風が吹いたかと思うと嵐のような雨が降りだし、おまけに迷子。
穂高さんか気合の英語で何とかカフェを見つけてくださり避難成功。
ルーマニアは急な雨が多く、しかもすぐ止む。午後はまた日差しが戻り、テクテク歩いて「カルフール」という大型スーパーに移動。
思い思いお買い物をしてホテルに戻る。

夜は山の手事情社が公演する劇場”テアトルオデオン”で観劇。オデオン座のレパートリーの「マルキ・ド・サド」を観た。

ふ〜〜。よく動いた。
明日はいよいよ仕込みです。

安部みはる

11/06/08

傾城反魂香/ルーマニア

バスに揺られて

いよいよ最後の都市 ブカレストへ移動する。
トゥルダからブカレストまではバスで10時間、遠い。
チャーターしたバスは驚くほど小さく、岩淵さんが後ろの荷台にトランクと舞台美術をテトリスのように積み込んでくれようやく出発することが出来た。
安田さんと谷くんは、大事なプロジェクターのスペース確保のため、別便でブカレストへ向かう。

のどかな牧草風景が続く。ハイジでも出てきそうだ。
きれいだと思っていたが、もともと森だったところを切り開いて小麦畑にした跡らしく100年後には土地が痩せ砂漠化してしまうと聞き少し胸が痛む。
時々思い出したように小さな集落が出てくる。
このあたりはコウノトリが来るらしく、煙突や電信柱の上に巣を作っており、実際に鳥も見ることが出来た。
その巣の形があまりにもかわいいので、写真撮ろうと必死に探していたら、文くんに「そんなに子宝に恵まれたいのですか」と言われた。違う違う。


ドラキュラ城のあるシギショアラという街でお昼休憩をする。
この街は、おそらく唯一日本人が観光しに来るであろう場所だ。早速日本人ツアーリストに出会う。
何だろう、少しげんなり。
この人達は、シビウ演劇祭もましてその演劇祭に三年連続で公演している日本の劇団がいることも知らないだろう。
入ったレストランはさすが観光地なだけあって、料理の値段がかなり高い。「ドラキュラスープ」というオリジナルメニューを頼んだら、トマトスープにそうめんみたいな麺がぷかぷか浮いている不思議な代物が出てきた。ほかにもいくつか頼んだが、味はいまいち。昨日トゥルダで食べた手作りのサルマ−レ(ルーマニアの料理、ロールキャベツのようなもの)が恋しい。

まだまだ牧草風景は続く。
バスの乗り心地は悪く、何人か車酔いした。
酔い止めの薬を買おうとしたら店員が気を利かせてくれて、10粒だけばら売りしてくれた。
そんな良心的な売り方をしてくれるなら、もう少し笑顔も欲しい。
特にカフェの若いウェイトレスは無愛想すぎる。
可愛い顔しながらとてつもなく冷たいのだ。
少しは微笑んでくれ。

さすがに足のしびれも限界に達し、狭い座席の上で体育座りの体勢を取っているうちに、ブカレストに着いた。
チャウシェスク政権時代に建てた馬鹿でかい建物が目に付く。
ほかの建物とのギャップが凄まじい。

さあ、いよいよラストスパートだ。
今夜はウルスス(ビール)でも飲んで気合を入れよう。

三井穂高