11/05/21

傾城反魂香/ルーマニア

深く深く

どうも、川村です。
いつもは稽古場まで自転車で通っていますが、
只今ちょっと離れた貸スタジオでの稽古なので電車通勤しています。

いつもの見慣れた景色と違ってこれがまた新鮮。
最寄駅まで歩き、
(普段歩かない事に気付く)
運賃を払い、
(日本経済に貢献)
老若男女と同じ車両に乗り、
(他人の人生模様を勝手に想像)
そして私服の俺。
(いつもは稽古着)

あぁ社会人と同乗していると俺も社会の歯車になれた気がする…。(勘違い)

まぁその内慣れるでしょうが、何かに夢中の時(今は演劇)は社会との関わりが薄くなりがちです。

演劇は、
「何故今この作品をやるのか」
「この作品で何を語りたいのか」
が問われます。
というかこれが無いと稽古しててキツイです。
ただのエンタメで終わってしまいますから。

ルーマニアに行く事で多くの人に観てもらいたいのは勿論ですが、今を生きる日本人が何を伝えられるかが大事だと感じています。

残り少ない稽古日ですが、
まだまだ作品が深くなる余地ありです。

川村 岳

11/05/20

傾城反魂香/ルーマニア

段ボール枠の役目

稽古場も森下スタジオに移り、
今は実際の舞台の広さで稽古できるようになりました。

それでこの間、演技の立ち位置の確認稽古をしたのですが、
演技エリアをわかりやすくするためにダンボールで作った枠を舞台上に置いて稽古をしたのです。

この枠は、前日に今回出演しない若手が、
一生懸命ダンボールを細く切ってつなげた手づくりのものでした。

最初はエリアがとてもわかりやすく、よかったのですが、
舞台上に貼りつけずにただ置いた枠なので、
稽古中にほとんどの役者さんが足を引っ掛け、
仕舞いには“ビリっ”と破ける始末。
テープで補修するも、「これジャマだな」と舞台から取り去られ、
今は隅っこに“クシャ”っと置かれています。

この枠づくりに僕は関わっていなかったのですが、
結構時間をかけて作られ、大変だったらしい、
と事前に耳にしていた僕は、
取り去られたとき、
「時間をかけて一生懸命作った人たちがかわいそう」
とは思わず、
あまりの呆気なさにほくそ笑んでしまいました。
すみません。

まあ、こういうこともありますよ。
決して無駄ではなかったと思いますよ、僕は。

さあ、いよいよルーマニアツアーが迫ってまいりました。

張り切っていきましょう!

谷 洋介

11/05/18

傾城反魂香/ルーマニア

刹那主義

ハキリアリという蟻がいる。
この蟻は集団の要である女王蟻が死ぬと新しい女王は作らず、
破滅に向かうという。

蟻に精神はないだろうけれど、
私はその生き様に侍の生と死に対する潔さを感じる。


(種の繁栄云々の事を考えるとそれでいいのか…
とツッコミたくなるけれど…。)

女王蟻が死ぬと自分達も終わると知っているのかはわからないけれど、
とにかく一瞬一瞬を必死で生きているように見える。

それはまさに刹那主義。

『傾城反魂香』の中に生きる人達は命懸け。
一瞬一瞬の中にも常に自分を破滅に追いやる何がが潜んでいる。

必死だからこそ、
劇中にあるような常識では有り得ない奇跡は起こるのだろう。

本番に向けてキラキラ輝くというか
もはやギラギラしてきた俳優達。

渡航まであと11日!

村田明香