11/05/05

傾城反魂香/ルーマニア

三年目

『反魂香』という作品を(DVDで)初めて観たとき
登場人物が多くて、正直途中で話を見失いかけた。
でも、みやと元信のシーンは切なくて涙が出た。
そのあとは話に引き込まれ、あっという間に観終わった。

うーん・・・切ないぞ。切な過ぎるぞ。
・・・待て待て、あそこはやっぱりどういうことだったんだ、
ともう一度観て、また切なくなったのを覚えている。
舞台上が、切ない、で満たされているって、本当に素敵。
きゅっとなる。

人が人を想う、というのはものすごいエネルギーを生んで、
とんでもないことになったりする。
そのまさに、とんでもないことになっている『反魂香』、
良い意味でも悪い意味でも、
そのエネルギーに巻き込まれていく登場人物たち。
色んな思惑や想いが、うまい具合に絡み合っていて
歯痒い、面白い、切ない。

舞台を支配するのは、現代と違うしきたり、考え方、空気。
今の時代にはわからないこともある。
でも、わかる。
あ、私日本人なんだな、と思う。

三回目のルーマニア、
日本の作品をやるのは今回が初めてだ。
日本の作品にしかない、湿気や、熱を、少しでも伝えたい。

これまで劇団では何度も取り組んだことのある作品だが、
今までとは一味か二味、いやいや、
三味違う『反魂香』に向けて、日々稽古中。

入団三年目で三回目のルーマニア公演、初参加。
異国の地にて、大和魂炸裂予定。
待ってろルーマニア。

園田 恵

11/05/04

傾城反魂香/ルーマニア

シーン

初めまして、こんにちは。
新劇団員になりました、中川佐織です。

今日も『傾城反魂香』の読み合わせが続いています。

文楽でも見せ場である、吃又のシーン。
土佐将監の弟子、吃りの又平が
死を決して描いた絵で奇跡をおこし土佐光起の名を受ける
この場面は個人的にも好きなシーンです。
吃り所以の又平の不器用さなのか、
色々な要因が又平を縛っていき、
そんな又平の妻おとくも、ある意味で又平を縛ってしまう、
そんなおとくの不器用さにも惹かれます。

前回とはキャストも変わり、
どんな風に出来上がって行くのか。
他のシーンも必然的に前回とは変わっていきます。

日本人にしか分からないんじゃないのかと思われる
逆転劇や、男と女の関係がたくさん詰まったこの作品、
ルーマニア人にもわかるような普遍的な感覚って、
どこにあるのでしょうか?

安田さんの怒声が飛ぶ中、読み合わせは続きます。

中川佐織

11/05/03

傾城反魂香/ルーマニア

待ってろ6月

もう5月ですね。
朝、4月のカレンダーを破ろうとして勢い良すぎて
5月のカレンダーまで破ってしまい、
「え!? もう6月!?」と軽くパニックになりました。
軽くタイムスリップしかけました。
自分が信じられません。

先日、山の手事情社稽古場近くにあります
神社にお参りに行ってきました。
神前に列を作って、順々に誓いを立てたり祈願したりする劇団員達。

全員怪我なく公演が成功しますようお護りくだすひ!!
と、私が頭の中で願い事を噛み、願い直したのは秘密です。

稽古場では連日読み合わせの稽古が続いております。
稽古中キャストの集中力と緊張の糸で稽古場が支配されています。
まるで蜘蛛の糸に捕まったかのように、
見ているこちらの呼吸までがコントロールされている気分になります。
だからこそ感情移入できるのかもしれませんが。

とてつもない集中力の元編み上げられた糸は
やがて客席を覆う大きな布になり、
ルーマニアに新しい風を巻き起こすことになるのでしょう。
というダイナミックな妄想をしていると、
あっという間に終わっていく稽古。

ぬぬぬ
一日は短い。
待ってろ6月!

村田明香