11/02/23

The Dead Father

『修了公演にまつわる話〜研修生編』

去年
山の手事情社修了公演
『春琴しよう』
に出演しました石原です。
毎年行われる研修生集大成の公演であります。

自分の年は
担当官の岩淵さんの願いから
研修生公演では初めて
原作を背景にした作品作りをしよう
ということになりました。
数ある小説群のうち
いくつか候補があがったなか
谷崎潤一郎の『春琴抄』に決定しました。
そのなかで話されたのは主に
「恋愛」です。
そして一読して皆が思ったのは
「変態」です。
男を虐待する女と、女から虐待されて喜ぶ男の話です。単純に書いてしまうと語弊がありますが
そのようにも読めるということです。
(ここで『春琴抄』について書くと
長くなるので割愛させていただきますが
とある男女の一生離れるに離れられない
恋愛と一言でくくりきれないお話です)
自分が修了公演にいたるまで
考えたこの小説を通しておもった「恋愛」というものは
純粋であればそれだけまわりからは
「変態」にもみられるということです。
ストーカーも時によっては純愛になります。
演劇において
恋愛だけでなく悪も
悪者だから単に嫌なやつをやろうとするのではなく
なにかしらの純粋があれば
悪いやつだけど死んでほしくない
とおもえてきます。

去年の修了公演において自分は
変態だけど気持ち悪いだけの男ではないものを
目指していきました。
どのような変態に、
気持ち悪い男になれたかは
自分ではなんとも言えません。
公演がおわったあとは
イヤ〜な気分だけが残りました。

さて
去年同期だった
恋愛大好きの桃香と
恋愛に臆病なあいかが
修了公演にもう一度出演します。
今年は前回とうってかわって
「しょうもない」とか「バトルフィールドが・・・」とか。
まるきり違う方向性にむかっているようです。

公演にむけてなにを目指しているのか
今週末楽しみです。

石原石子

11/02/22

The Dead Father

『修了公演にまつわる話〜研修生編』

僕は2年前に研修生修了公演に出演しました。
修了公演はまさに「サバイバル」でした。
一年間の研修生稽古の中で生まれた面白い作品から、厳選されたもので構成される修了公演。
修了公演なんだから、研修生全員に均等に出番を与える、なんてことは一切ありませんでした。
稽古して、演出のエチューダーが「面白くない」と言えば、その作品はカットされる。
出番を減らされるのです、遠慮なく。
逆に「面白い」と言わせれば、本番に出してくれる。
そこも遠慮なく。

だからメモ帳を常に持ち歩いて、稽古中や食事中、電車の中など、寝るとき以外はいつも何か考えていて、面白いことを思い付いたら即メモ帳に書く。それを稽古に取り入れていく。
本番前の一ヶ月は、こんな毎日でした。

山の手事情社の役者はとにかく演出に頼らず、自分で自分自身を面白くしようとひたすら考えます。
研修生だろうと、そこは劇団員と一緒です。
全く妥協なしの修了公演、ぜひご賞味あれ!!

谷洋介
「The Dead Father」公演情報
詳しくはこちらをクリック!!



11/02/22

The Dead Father

『Dead and Alive』

気がつけばカウントダウンが始まっていた。
公演までの時間があとちょっと。
爆発まであとちょっと。
毎日通し稽古で、通し稽古はある意味本番で、
ってことはすでに毎日が本番で。
研修生生活が始まったころとは別の意味で、
稽古場日誌が書き進まない。

毎日いろんなことを考える。
毎日いろんなことが起こる。
毎日笑える出来事に遭遇する。もしくはその逆。
とりこぼしたくないという気持ち。
今更ながら毎日、いろんなことを思い、感じて
生きてるんだなと認識。
そのどれかを日誌の話題として選ばなけりゃいけない。
選んだらそれについて全力で話さなきゃいけない。
それって、今『The Dead Father』でやっている≪ショートストーリー≫や≪漫才≫や≪物真似≫だって同じじゃないか。
自分たちの人生のとりこぼしたくない数多のシーンから
ある世界を作るために選んできた。
自分たちで捻りだしたものや、エチューダーの斉木さん麻里絵さんに拾ってもらったもの。
あの時、思って、感じて、考えていた何か。
それを風化させず、磨いて、削って、増やして、
舞台上で「あの時」を「この時」に蘇らせる。

なんにせよ時間との闘いです。
「あの時」からの時間と、現在から公演の「その時」までの時間と。
『The Dead Father』のテーマの一つは闘いです(たぶん)。
闘って、生き残らずとも死に残ります。
死んでも何かを残します。

水田菜津美
「The Dead Father」公演情報
詳しくはこちらをクリック!!