06/11/17

YAMANOTE TRIP

「本番一週間前」

たりらりら〜♪
稽古場のすみでバレリーナのような格好で回ったりスキップしている山口笑美です。
 本番一週間前となりました!!

心の中は歌う余裕なんてこれっぼっちもありません!
やらなきゃやらなきゃ稽古しなきゃ自分のところなんとかしなきゃ空間を歪めなきゃ青い鳥なんとかしなきゃ…
私の中のしなきゃ星人が大活躍中です。
むむむ。
回りを見渡すとしなきゃ星人は私だけではないようですね。
みんな凄い形相になってきましたよ。
叫んだり唸ったりしてますよ。ふらふらしてますよ。
きっつい時期ですね。

でも、もう一人の私はそんな余裕のなさを楽しんでいたりもします。
やっとバラバラな世界に住んでいた者達が出会いつつあります。
すばらしい公演にしよう! とそれぞれの念が漂っています。
役者達の念に衣裳の念が加わり、個々のキャラクターが前より立ち上がってきたように感じます。
稽古場のすみではヘアメイクさんが真剣にメイクを考えています。
念がきてますね。

スタッフと役者達が出会ってきました☆

あとは一人一人が自分のやるべきことをしっかりやるのみです。
ぶれずに。

一瞬をのがさず出会っていきましょう。

そして早く皆様と出会いたい!
11月23日からどんな演劇空間ができるのか!? 楽しみです。

06/11/15

YAMANOTE TRIP

「演劇と死」

本日「青い鳥」、「ファウスト」の通し稽古が行われた。
出演しない「ファウスト」は観ていて沢山のことを考えさせられた。

出来ているわけではない、完成しているわけではないが、何処に行こうとしているのか役者1人1人、1シーン1シーン、そして芝居そのものが分かっているように感じられた。

様式的な芝居では言葉は多くの意味を含み、1ポーズに様々な可能性が込められ、強くて美しい構図があるべきだと思う。
それらが芝居そのものの情報量を増やし、観客の思考を日常では到達し得ない領域まで導くのだから。

「青い鳥」も紙芝居の絵の数を減らしていくように、凝縮して密度を濃くし、温度、テンションを上げることで人物や状況の最大公約数を描きたい。

直感に従いここまで来た。
象徴性を高めるために今後は深く思考していきたい。

もう1つ
「演劇と死との親和性」について考えさせられた。

複式夢幻能では「生者」と「死者」の世界を往還することによって表現の魅力が生まれ、その「死の陰を引きずった美」は幽玄と呼ばれている。
近代以前「死者の世界」と「現世」が遠く隔たっていなかった頃、人々は不可視なモノを見、対話不可能なモノ達とコミュニケートしていたはず。

「死を感じる」ということ。
そこに思考を導く。そんなことが四畳半できっと出来るはず。

なぜならそれは、僕達の大先輩が大昔から行ってきたことなのだから。

野々下孝

06/11/14

YAMANOTE TRIP

「小道具四十八手」

最近、人を怒鳴る夢をよく見る「ちょいギレ」の名久井です。夢の中の僕は悲しい位、最強です。

さて、今回『青い鳥』では、役柄上、僕は小道具をよく使います。

そして、この3ヵ月間で試した小道具の数は数知れず…。ある日、小道具班の渡邉が僕の小道具を数えてくれた時は、
「名久井さんの小道具だけで48種類ありますよ!」
と溜め息混じり怒気混じりで教えてくれました。

それ以降も小道具は増え続けたので、ピーク時には55種類位ありましたでしょうか。小道具班みんな! 大変ご迷惑をお掛けしました!

思えばこの3か月間、小道具を相手に妄想を膨らませてきました。はたと目に入った部屋にあるガラクタを見てはメラメラと、街で見掛けた子供の遊び道具を見てはメラメラと興奮混じりに妄想を膨らませてきました。

百円ショップでは、おもちゃを手にして「領収書お願いします」という僕に怪訝な顔をする店員。
おもちゃ屋では子供と混ざっておもちゃを物色する僕に、警戒する、僕と同世代であろう子供の親達。そんな心暖まる出会いにもめげず、様々なものを物色して参りました。

その総決算が先日、演出から言い渡され、晴れて本番に乗る小道具、本番に乗らず、小道具からおもちゃや器具に戻るものが選定されました。

55種類からわずか数個が本番に上ります! 僕としてはホッとした反面、寂しくもあります。お蔵入りしたものの中には、個人的に気に入っていたものもありましたから。

今後は、小道具のエキスパートとして、“小道具四十八手”をものにしたいです!…役者として間違ってるか…?

しかし、これからが正真正銘の本番! 今回出会った様々な小道具の魂を舞台上でぶつけたいと思っております!

本番でどんな小道具が、どんな風に使われるか、会場でご賞味頂けたら、幸いです。

本番間近! ラストスパート頑張ります!

是非是非! ご来場下さいませ! 宜しくお願い致します!