08/12/30
『drill』/小劇場楽園でのひと芝居
『道成寺』@えずこホール(宮城県)から約1週間。
えずこホールまで足をお運び下さった皆様、
本当にありがとうございました。
ずんだもちと牛タンと萩の月と手作りの漬物と温かい
お客様との出会いに元気をもらった野々下です。
本日はクリスマスイブの12月24日(水)。
浮かれ騒ぐ世間をよそに浮世離れしたやつらが
山の手事情社稽古場に大集合!!
『drill』の稽古が再開されました。
その『drill』、下北沢の小劇場楽園で上演いたします。
ご存知でしょうか?楽園
どんなイメージでしょう?楽園
とりあえずいい気分にさせてくれそうですよね?
あとのんびりできそうだし、白かったり、暖かかったりもしそうです・・・。
でも実際に劇団員が劇場を見たときの感想は
「ここでルパム・・・!」
「役者って何人出んのよ?・・・お客様と近いっ!」
「とりあえずバミりだな」
「そうだな」
ってな感じで今までにない空間が特徴です。
そして感想のとおりに劇場の図面を見つつ稽古場で
バミってみますと舞台が大体2つとれちゃうんですね。
通常ですと本番前には実際の劇場を想定するために
広いスタジオを借りて稽古を行ったりするんですが
今回はその必要はなさそうです。
幅は4m強なので上手から下手に一瞬で走り抜ける
ことも、役者数名が寝そべって舞台の床を完全に隠す
ことも、舞台の熱気を客席に伝えることも、余裕で出来ます。
ただ・・嘘がバレやすそうです。
この距離は結構ヤバイです。
日常生活でも、自分を偽ることや、何らかの役割を担う行為などを演技とよんだりしますし、詐欺やいたずらで人を騙すために演技することも「芝居」とよんで、
「ひと芝居打つ」とか言ったりします。
ただ日常生活では、演じていること=嘘がバレないことも多いでしょうが、楽園で行われる僕たちの芝居が演技だというのは自明の事実で、ハードルが上がる分日常の演技より更に巧妙で更に緻密な演技が必要になります。
でも日常を緻密にデッサンしてもそれは越えられない
わけで、芝居=演劇でしか出来ないリアリティを追求して思い切った非日常を創れたら・・・。
そんな「ひと芝居」はお客さんが楽園で過ごす幸福な
時間になるんじゃないかなあ〜と
街が思いっきり演技してるクリスマスイブに
「嘘くせ〜なあ〜」
と思いながら考えたりしました。