08/11/23

道成寺/えずこホール

『初めて同士』

『来月○○で公演あるから、
   その時期こっちにいないわ』

一度言ってみたかったこの台詞、遂に使う時が
やってきました!!
実はわたくし、地方公演に自分が出演するのは
初めてなんです。
しかも宮城県にはまだ行ったことがありません。
舞台という非日常を、異空間で体験できる
わけです、たまりませんっ。

しかしながらこの台詞を言うには、12月半ば
あたりに飲み会なりお茶会なり何かしらの会合に
誘ってくれる東京の友人がいなくては…。
誰も誘ってくれないので、仕方なくこちらから
連絡してみます。

『久しぶりに会わない!? あ…、でも来月半ばまで
    忙しいんだ、公演で宮城に行くから。』

誘われた方はいい迷惑ですよね、すみません。

そうそう、今回は宮城県の中学生を対象に
ワークショップも行います!
勿論お芝居も見ていただきます。
おそらく山の手事情社の芝居を見るのは初めての
方が大半だと思います。
宮城県の皆様、そして宮城県の中学生の方々、
山の手事情社の『道成寺』
変なお芝居です!
多少話が分かりにくかったり、グロテスクな部分も
あるかもし れません。ですが、見た後強烈な
興奮が体の中を駆け巡ること間違いありません。
もし私が中学生の時にこの芝居を見ていたら、
人生変わってたかもしれないくらいのインパクトは
あります。中学生は、おそらくこの芝居との橋渡し
をして下さった先生方に感謝するでしょう。

どんな内容かって!?
それは見てのお楽しみです。
お互い初めて同士、宜しくお願いいたします !!

三井穂高

08/11/21

道成寺/えずこホール

「ポニョと清姫」

先日、映画「崖の上のポニョ」を見ました。
そこに描かれていたのは「会いたい」という
とてもシンプルで凄まじく強い「思い」でした。
好きな男の子に会いたいというただ一心で
ひたすら突き進んでいくポニョ。
周りに、世界に大迷惑をかけているにも関わらず
その姿は感動的で爽快感さえありました。

さて今回の「道成寺」。同じく男をひたすら
追い続ける女の話でございます。
そこにはポニョと違い恨みや嫉妬等の負の感情も
満載ですが、でもやはり私はある種の爽快感を
感じてしまうのです。思いの遂げ方としては
間違っていると思いますし、友達なら説教して
止めるところですが、ここまでの強い「思い」に
羨ましいと思ってしまう気持ちがあるのも否めず。
そんな一念を貫き通す爽快感が道成寺が日本人に
愛され続ける理由の一つなのかもしれません。

宮崎駿監督が映画でしか、そしてアニメでしか
できない手法でポニョの思いを描いたように
山の手事情社も演劇でしか、舞台でしか、
そして山の手事情社でしかできないやり方で
女の一念を描きます。これは劇場に足を運んで
いただかないと味わえません。
絶対に絶対に体験していただきたい!

えずこホールにて心よりお待ちしております。

太田真理子

08/11/18

道成寺/えずこホール

『劇都から電車で30分』

大学時代を宮城県で過ごした野々下です。
一般的にあまり知られていませんが、
宮城県は演劇が盛んです。
中でも仙台市は「劇都」と呼ばれるくらい
演劇の盛んな都市です。
そんな演劇の盛んな土壌に影響を受け、
大学入学早々劇団に入り、
退団して新たに劇団を作り、
その劇団を退団して山の手事情社に入団しました。
そしてあっという間に10年が過ぎて
今に至ります。
・・・本当に早いもんです。

会社員の友人達が当然やっていることを
していなかったりして
「何やってたんだよ?」
「芝居かなあ・・・」
というやり取りがよくあります。
そしてそれだけやってきた芝居を、また宮城県で
出来るということに武者震いしてしまいます。
武者震いだけじゃなく、
動揺し、緊張し、感動し、高揚してしまいます。

今回上演する作品は、山の手事情社の代表作です。
そして、表現されるのは裏切られた女の情念。
上演する場所は、仙台から電車で約30分の
柴田郡大河原町です。

蛇に変身した女は、人間の手の上に足を乗せて
宙を歩き、うろこのような模様の美しいドレスを
着た清姫は、男の体を乗り越えながら移動します。
山の手事情社俳優陣のアクロバティックかつ
美しい身体表現を是非劇場でご覧ください。

野々下孝