08/11/16
スペシャルな『道成寺』
『道成寺』。
タイトルを目にすれば、日本の古典や昔話、
歌舞伎や能を連想させる、和風の印象です。
しかし山の手事情社の『道成寺』は
ちょっと違います。
まず着物は着ません。衣装は華やかな洋装です。
お寺のお坊さんは出てきますが、
カツラはかぶりません。
「俺って何者? どうしてここにいるんだろう?」
とまるで思春期のように悩み、
その答えは今の私たちと同じように
見つけられずにいます。
女はひとりの男を熱心に愛しますが、
男はその愛を受け入れることができません。
その二人のやりとりは
古語でやらせていただく場合もありますが、
男女のすれ違いは、いつの時代も
身にせまるものがあります。
思い余った女の狂気は、女を蛇へと変えてしまい
ますが、着ぐるみもトリックもCGも宙乗りも
使いません。
さらにそこに原作から想起して作った
山の手事情社オリジナルシーンを加え、
平安時代から語り継がれてきた道成寺伝説を
山の手事情社が解体&あらたに編みなおし、
来月、宮城県のえずこホールで
上演させていただきます!
ぜひ、21世紀のスペシャルな『道成寺』を
見にいらしてください。
久保村牧子