08/11/30
個人的な話
「東京とそれほど変わらないから、
大げさに考えすぎだよ!」
と答えた。
私が暮らしていた岩手の土地は、本当に寒い。
寒いを通り越して、痛い。
そこに比べたら、宮城県の冬はたいしたことないぜ
と思う。
しかし、待てよ。
ヌクい東京暮らしが長くなった今となっては、
ちょっときついかも。
こっそり、寒さ対策グッズを持っていくべし。
さて。稽古場日誌本題。
本題と言いながら、
『道成寺』とは直接関係ないけれど、
私にとっては、重要な思い出話を。
それは、私が大学生だったとき。
初めて彼氏という存在ができ、
初めてデートというものした。
そのとき行った場所は、仙台。
仙台駅前にある、ナガーイ商店街を、
いわれるがままに歩き、いわれるがままに、
店に入って、買い物につきあった。
その後、その彼とは、
さよならする日が来るのだが、
仙台で歩いた、あの商店街を思い出しては、
泣いた日々があったなあ。
さらに、その後。
なぜか仙台を基点にして、
酸いも甘いも経験するはめになる。
自分の気持ちや衝動だけで突き進むと、
相手は引いてしまう。
ということを知らなかった私。
今なら、清姫に、
「あんた押してダメなら、引いたほうがいいよ」
と言えるな。
そんなこんなで、勝手ながら、
今回宮城県で「道成寺」を上演することに
なったのは、因縁めいたものを感じる。
清姫を見ていると、当時の自分を思い出すのに、
さらに、思い出いっぱいの地で、
公演することになろうとは。
私だけじゃないはず。
清姫を見ていてドキっとするのは。
思い当たる女性がたくさんいるはず!
観るべし。『道成寺』。
小笠原くみこ