稽古場日誌

ニュージェネレーション(体験談)研修生 2010/03/31

年間ワークショップ参加者の体験談/坂野 寛

公演を終え、やり切ったという感覚より、もっとやれたのにという反省の気持ちが強いです。
もっと違った感情で受けることができたのでは、もっと共演者を見ていい間をつくることができれば更に面白く落とせたのではないか、お客様が笑う隙間を作ることができればウケたのではないか。
今でも朝「春琴しよう」公演のために、稽古しなければと目覚めてしまうことがよくあります。公演は既に終わっているのですが…
そんな反省の日々の中、「春琴しよう」を観劇にお越し頂いた友人達からの声は意外にも、「パワーをもらえた」「面白かった」「刺激になった」「輝いていた」「次も観たい」との好意的な感想を数多く頂き、とても驚いています。
自分の演技はまだまだまだ改善できる点だらけにも関わらず、こういった声を頂けることは嬉しいです。
今までは、好きだからという理由で演劇をやってきました。しかし、「春琴しよう」の公演をやってわかりました。
単なる好きで演劇をやるのではなく、観て頂く方に刺激や面白さを提供するために演劇をやりたいと思っている自分を。そんな自分に気がついたことが公演の最大の成果なのかも知れません。
1年間の研修プログラムは終わりました。しかし、お客様に刺激や面白さを強く感じて頂ける演技にはまだ沢山の課題が自分にはあります。
しかし、何が自分に足りないのかを身をもってわかるようになってきたことが、この一年の大きな変化です。
道はまだスタートしたばかり、これからも自分の演技を追求していきたい。
それが研修プログラムを終えての率直な感想です。

2009年度研修生 坂野 寛

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