稽古場日誌

班女 大久保 美智子 2017/06/02

「班女」3バージョン上演します!

大久保美智子です。この度、「班女」の演出を担当いたします。よろしくお願いいたします。
いつまで続けられるか分からない演劇人生、今、やりたいことをやってしまおう! と一念発起したのが約3年前。
その後内部での発表会を経て、ようやく公演として上演することとなりました。
とはいえビビりの私。かけなくてもよいプレッシャーを自分にかけ、ひとりアタフタしています。
さて、今回は俳優だけではなく演出も担うわけですから、自分が「観たい!」という気持ちを大事にし、とことんこだわりました。同じ作品を3バージョンつくります。

①~妙齢バージョン~
昨年9月に稽古場で発表した、一番の自信作です。中川佐織を「花子」に据え、彼女の野性的なエネルギーを通して異形の愛を描きます。

花子=中川佐織

実子=大久保美智子

吉雄=橋口久男

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②~老齢バージョン~
「花子」は老女である、と仮定してみました。大久保美智子が「花子」を務めます。人の感じる「美しさ、醜さ」って何だろう? というところに斬り込みます。

花子=大久保美智子

実子=中川佐織

吉雄=橋口久男

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③~若輩バージョン~
文字通り若輩者たちが演じます。まだまだ経験も技術も足りませんが、この時期特有の替え難い魅力があります。ぜひこの初々しさに触れてください。

花子=鹿沼玲奈

実子=武藤知佳

吉雄=田中零大

三島由紀夫の描く「班女」には様々なテーマが隠されています。依存と愛の違いとは? 異形のものに惹かれてしまうのはなぜか? 闘いと愛の境目は? 人の幸福って? そして昨年の試演会で「花子がゴジラにみえた」(ちょうど「シンゴジラ」が公開されていました)という感想をいただき、これは3.11を経た私たちが新しく読み直せる物語だと確信しています。
ぜひ3バージョンともご覧になってください。そしてこの世界を味わいつくしてください。
また観劇の手引きとなる映像作品「様式をめぐる冒険」(監督:豊雅俊)の同時上映を予定しています。
皆さまと劇場でお目にかかれますことを楽しみしています。

大久保美智子

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「班女」
2017年6月30日(金)~7月4日(火)
The 8th Gallery(エースギャラリー)
公演情報はこちらをご覧ください。

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