稽古場日誌
毎年いろんなメンバーが集まっては巣立っていく。
年齢もキャラも実力もさまざまで、その年度ごとのカラーが出ていて面白い。
今年の修了公演はどんな芝居になるだろう。
たまたま集まったメンバーが一年間、今まで経験したことのないくらい、おそらくこれからも経験しないくらい密度の高い日々を送る。
そして二度といっしょに集まることはない。
大げさに言うわけではないが、他人同士の人生が交錯している特別な時間なのだ。
面白いに決まっている。
たまたま集まったと言ったが、それは偶然ということではない。
人の出会いに偶然なんてものはないのだ。
というよりそもそも世の中に偶然というものはない。
理由がわからないからバラバラで偶然のように感じるだけであって、本当は世界は全部ひとつながりであるはずだ。
つまり集まるべくして集まったメンバーなのだ。
だから、そこに意味を見出せばいい。
地獄のような日々も意味があることなのだ。
自信があってもなくても、好きでも嫌いでも、辛くても楽しくても、出来てる出来てないも、怖いも恥ずかしいもへったくれもない。
全部受け止めてやりきってしまえばいい。
それが劇的なのだ。
修了公演はそれが出来る公演だ。
だから面白くなるに決まっている。
迷ったり不安になる必要はない。
楽しい時間を過ごしてほしいと思う。
そうでないともったいないのだ。
山本芳郎