稽古場日誌

ワークショップ外部活動 越谷 真美 2017/08/21

下丸子×演劇ぷろじぇくと2017「演劇体験ワークショップ」リポート

俳優部の越谷真美です。
このたび「演劇体験ワークショップ」のアシスタント講師をつとめています。

7月からはじまったワークショップも前半戦が終了し、折り返しです。
このワークショップでは、来年12月の『仮名手本忠臣蔵』上演にむけて、台本の一部を実際に演じることにチャレンジしています。30名近い参加者のみなさん、下は大学生から上は80歳代まで老若男女とても個性豊かな面々です。
最終日(9/10)の発表会に向けて全10回の講座でシーンをつくっていかねばなりません。発声や基礎訓練も欠かさず、皆さんの個性を見ながら1回1回進めています。

基礎訓練《二拍子》(指定された感情でポーズをつくる)のハジけっぷりは見ものです。
めちゃくちゃアピールの強いひともいれば、マイペースすぎて気になるタイプもあり。
また、若いひとに負けたくなくて無理をしてしまうひともいれば、求めてないことまでしてくれる方もいて、初心者とは思えない面白さです。

発声・基礎訓練のあとは本読みを中心に行ないます。
チームにわかれ様々な配役で読んでもらいます。当然ながら人が違えば役の印象もだいぶ変わってくるので、「この芝居もアリかも!」と発見が毎回とても楽しみです。でも、あと数回で発表会本番だと思うと… 居ても立ってもいられない気持ちになってきます。

セリフは気持ちをどれだけ込めてしゃべれるか。俳優を始めたころの私はセリフをその程度にしか考えていませんでした。
しかし劇団に入ってから、短いセリフでも何通りも違う読み方を考えるようにと安田から演出を受けてきました。
セリフはその言い方ひとつで、その場の空気や情景まで表現できるんです。

本読みでは「語尾をもっとしめて」「余計な間を入れないで」「テンポを変えて」など、参加者の方に細かく要求しています。
自分の喋り方には自分自身の癖がびっしりとこびり付いているので、まずはそれを自覚しないことには実は他人を演じることは出来ませんし、同時にセリフの肚も十分把握しなくてはいけません。参加者の皆さんは役とともに自分自身と格闘しながら『仮名手本忠臣蔵』と向き合っていることと思います。
難しい要求も多いと思いますが、セリフや役とつながれた瞬間は何ものにも変えがたい快感があり、やめられなくなります。
『仮名手本忠臣蔵』は言葉とも距離があって大変ですが、皆さんにもその快感を得てもらいたいと思います。

腹を据えてさあ、後半戦。
大田区版『仮名手本忠臣蔵』どうぞご期待ください。

越谷真美

ワークショップの様子は「下丸子×演劇ぷろじぇくと2017」公式Facebookページでもご覧いただけます。

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