稽古場日誌
オイディプス@Tokyo 鯉渕 翼 2017/02/09
今回のお芝居では、ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、ハンマーを振り回す男に次々と男たちがなぎ倒されるシーンがあります。
当然稽古も危険な物になり、集中しないと思わぬ怪我につながります。
そんな稽古中の出来事。
スタートの合図で隊列をくんで舞台に登場。
きっかけで各々殴られる位置についた時。ふと頭に思い浮かぶ。
「そういえばテバイの町ってオイディプスが追放された後どうなったんだろう?」
一人目が殴りとばされた。
「原作には疫病が襲い掛かって云々とか書いてあったから、実際なにも解決しなかったろうな」
二人目が殴り倒された。
「本当の原因はなんだろう。個人的には麦角(イネ科に着く菌糸類、超危険)あたりが怪しいなあ」
ここで自分が殴り倒される。
「麦角といえば、穀物の立ち枯れ、早産、焼けるような神経の痛みと実際壊死によって末端から焼けただれていくような病状。うん、ありえそうだぞ」
舞台後ろのほうでさらに四人目が殴り倒される。
「ということは何か、畑を焼いて感染者を隔離すれば助かったんじゃないのかしらテバイ。まったく神託なんか聞きに言ってる場合じゃないぜ。問題というものはいつも多角的な視線でもって検証を…」
そんなことを考えていたからだろう。
ふと気がついたら、倒れる予定位置から外れて今まさに仰向けの自分の上に背中から倒れてくる五人目の姿。
「痛い。主に顔が痛い」
思いっきり潰された。
稽古中は集中を切ってはいけない。
鯉渕 翼
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質問@Tokyo
「オイディプス@Tokyo」に因んで、出演者同士による“東京”に関する質問コーナーです!
共演者の谷 洋介→鯉渕 翼への質問です。
これぞ東京、という写真を撮ってきてください! (谷)
東京といえばこれでしょう。駅間2分なら私は歩きます。(鯉渕)
次回は、鯉渕 翼→中川佐織へ質問です。