稽古場日誌

研修生のことを考えています。
今のニュージェネレーションの前身というか、以前は研修生という呼び方をされていた方たちのことです。
先日『葵上』の公演での配布物を作るにあたり、過去の研修生メンバーの名前を掘り返す作業を行いました。
研修生制度は30年近く続き、人数にして200人以上。
通過してくれたメンバーを漏れなく洗い出すことは、古い資料をひっくり返しながらの大変な作業でしたが、改めて一人ひとりの顔を思い浮かべる機会になりました。
劇団員として残った人、残らなかった人、自分の劇団を作ったり演劇以外の別の方面に進んだ人、会社を作った人、外国に行った人、家庭を持った人、子供がいる人、みんなそれぞれの世界で大活躍しています。
関係もさまざま、山の手事情社の公演を見続けてくれている人、くれない人、今回ものすごく久しぶりに見に来てくれて再会した人、そして亡くなった人……、とにかくいろんな人生の形があります。
みんなお互い顔は知らないけれど、みんな元山の手事情社です。
もし人生の糸みたいなものを視覚化できるとしたら、それぞれの世界で活躍している生まれも育ちも違う赤の他人の糸が、過去のある時期に山の手事情社のところだけでギュっとひとつに集まっているのが見られるはずです。
それってよく考えればなんだか不思議だし、面白いなあと思います。
交わることのないはずの無数の糸がなぜか一点だけ集まってて、その後二度と交わることはない。
縁と言ってしまえば簡単ですが、やっぱり奇跡と言えるのかもしれません。
そして奇跡的に集まっているに違いない今年度ニュージェネレーションの4人。
彼らは今後山の手事情社の活動が休止してしまうにもかかわらず、参加してくれたメンバーです。
縁なのか、奇跡なのか、休止前の劇団最後の公演を飾ることになります。
ぜひ劇場に立ち会っていただき、彼らの奮闘と今後の活躍の始まりを見届けてほしいと思います。
山本芳郎
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劇団 山の手事情社 ニュージェネレーション公演『うプ!』
日程=2026年4月8日(水)~12日(日)
会場=大森山王FOREST
詳細は こちら をご覧ください。