稽古場日誌

こんにちは。
『うプ!』演出を担当している俳優部の安部です。
ニュージェネレーションの稽古が始まったのは昨年の5月。
一年は長いなと思っていたら、あっという間に、間もなく本番である。
あのシーンも、このネタもまだまだもっと良くしたいのに。
果たして間に合うだろうか……。
思えば前回ニュージェネレーションを担当したのは2019年度だった。
にっくきコロナに阻まれて無観客公演になってしまった忘れられない年だった。
お客さんに見てもらわないと演劇は完成しないことを痛感した。
今でも不完全燃焼のモヤモヤは解消できずにいる。
その前は、2013年。
倉品淳子さんのもとでサブエチューダーとして関わった。
自分もまだ駆け出しの俳優で、自信が全く持てない《山の手メソッド》を後輩に教えることが重圧だった。なんとか教えようとすることで自分自身が鍛えられた年だった。
2008年に入団して18年。
生まれたての子供が成人する年月。いつになったら一人前の俳優になれるのかと苦悩しながら目の前に迫った公演と演劇に向き合い続けていたらいつの間にかずいぶん遠くにきてしまった。
自分自身は何も変わっていない気がするが、時間は確実に流れている。
一年間夢中でニュージェネレーションを育ててきたけれど、この先ずっと彼らを育てていくことはできない。
まだ伝えていないことがたくさんあるのに、言葉が拙くてうまく言えない。
なんともどかしいことか。
『うプ!』は稽古で絞り出してきた様々なシーンと、コッローディ作『ピノッキオ』を組み合せ、俳優として生まれ出ようとしている彼らのうぶさと常識にとらわれないあやつり人形の成長していく様を重ね合わせた作品にしようと思っている。
果たして木のあやつり人形は人間になった時に幸福と言えるのか。
俳優になった彼らはそこでゴールなのか。
厳しい稽古と演劇漬けの日々ももうすぐ終わり、舞台の幕が開く。
どうか生まれ出ることができますように。
産声を上げられますように。
肺に息が入ってくる瞬間、俳優として声を吐き出す瞬間を見守っていただけたら幸いです。
劇場でお待ちしております。
安部みはる
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劇団 山の手事情社 ニュージェネレーション公演『うプ!』
日程=2026年4月8日(水)~12日(日)
会場=大森山王FOREST
詳細は こちら をご覧ください。