稽古場日誌
大田区池上の稽古場でも、「シニア女性のための俳優講座」がはじまりました。
定員を上回る応募者の中から、抽選で選抜された60歳以上の女性、15名。
お茶を片手に車座になってのスタート。まずは、自己紹介からです。
お名前と呼び名と、なぜこの講座を受けようと思ったのかをお話してもらいましたが、興味深いお話ばかりで、その方の人生の片鱗が見えてくるようでした。
その後、大きな円になって、サインネームという自分の名前を身体で表現するメニュー(手話で名前を呼ぶ際に“あだな”のような形で使われるそうです)を行いました。
かわいい動き、おもしろい動き、身体を大きく使う動きもあれば、ニュアンスや勢いが大切になる動きもあります。
一人ひとりの動きをみんなでまねしていくのですが、まねをする動きがひとつずつ増えていき、最後は15人プラス講師とアシスタント、すべての人の動きをつなげて行いました。
頭と身体を同時に使って、良い感じにほぐれてきました。
休憩をはさみ、ストレッチと発声です。
発声の途中、講師の倉品がひららめいた様子で、突然参加者を2つのグループに分け、「こちらが舞台、こちらが客席ね」と、突如グループごとの披露の場が設けられました。
発声と簡単な動きを組み合わせたものをそれぞれのグループで見合います。
突然のことに多少おどろきながらも、だんだんと勢いに乗ってくる人、多数。
そして、もう一方のグループの披露を見ながら、「 おもしろい!」と笑顔に。
この日の最後の課題は、思い思いのものを手に持ち、歌に合わせて踊ります。
特に振付があるわけではなく、ポイントは、自分が踊るではなく、物が勝手に動いているように、自分の体を踊るような感じで動かすことです。
妙に神妙な面持ちで踊る人、自分世界に浸って踊る人、独自のポジションで踊る人。
これからの講座が楽しみになるユニークさがたくさん詰まった15名。
最終日には発表会も行う予定です。今からどんな作品が出来上がるのかワクワクです。
武藤知佳