稽古場日誌

ニュージェネレーション(体験談)研修生 2010/03/31

年間ワークショップ参加者の体験談/中澤美穂

かけがえのない仲間たちに出逢えた一年だった。

あれは、去年の5月。
ルーマニアへ旅立つ直前の劇団員の方々と同期となる仲間の前で、私は挨拶をした。
しかしながら、周りに少し遅れて研修生となった私をエチューダーの二人と仲間たちは快く迎え入れてくれた。

仕事で稽古に出るのもままならないこともあった。
それでも仲間たちは、優しく、ときには厳しく、受け入れてくれた。
そんな仲間たちと、修了公演というひとつのゴールに向かって最後まで走ることができた。
それが何よりも嬉しい。

自分というものを知る一年でもあった。

課題や稽古がうまくいかなくてへこんだり悔しかったり、自分の無力感にどうしようもなく落ち込んだり、思い返せばキリがない。
それでもここまでやってこれたのは、同じ苦汁を味わい、ライバルでもある仲間たちがいたから。
暖かい目で見守ってくれたエチューダーの二人がいたから。
心から感謝いたします。

ここで過ごした一年間は、私の大切な宝物だ。
役者として、人間として、どう生きていくのか。

これからは、そのことを見つめ続けていく人生を送ることになるのだろう。
簡単に手に入れることができないものだからこそ、演劇っておもしろい。

そんなことを学んだ一年間でした。

2009年度研修生 中澤 美穂

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