稽古場日誌
オイディプス@Tokyo 髙坂 祥平 2016/12/18
作中「父を殺し、母と交わり子をなす」とオイディプスが授けられる神託は、ただの神話なのだろうか。現代の私たちも実は依然として強固な神託に縛られているのではないか。劇団員が自分にとっての神託を語ります。
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自分以外の存在を世間とした時に、この世間の考え方に現代の私たちは、ギチギチに縛り付けられています。
大なり小なりあるだろうと思うのですが、私の考える一番大きな神託は、
「生きていかなければいけない」
という考え方です。
「せっかく生まれたんだから人生を全うしなきゃ」
「もう生きているんだから、何故生きているのか悩んでも意味がない」
「人生辛いことばかりじゃない! 楽しいこともたくさんある!」
私の頭の中は、何故かこういう言葉で埋め尽くされています。
人生色々あるけど、結局は、生きていかなければいけないんだな… と、本当にいつも思います!
例えば、どう死ぬか、いつ死ぬか、を考えさせるような本はあまりに少なく、どちらかと言えば、どう生きるのか、成功するためにはどうしたらいいのかを説く自己啓発本が巷には多く溢れています。
私も一時期その自己啓発本とやらにハマった人間ではあります。
なので、冗談でも「死んでも良いんだよ」なんて言ってる人がいたら、びっくりしてしまいます。
それだけ私たちに根強く存在する神託であると思いませんか。
究極ですが、私たちは、生きるか死ぬか選べます。
ここまでくるともうどうしようもなくなってくるのですが、それでも私は、例えば明日がどんなに嫌だったとしても、朝起きたら、顔を洗って出掛ける準備をしなくてはならないのです。
髙坂祥平
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若手公演「オイディプス@Tokyo」
2017年2月23日(木)~26日(日)
すみだパークスタジオ倉
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