稽古場日誌
オイディプス@Tokyo 谷 洋介 2017/01/11
作中「父を殺し、母と交わり子をなす」とオイディプスが授けられる神託は、ただの神話なのだろうか。現代の私たちも実は依然として強固な神託に縛られているのではないか。劇団員が自分にとっての神託を語ります。
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最近ひとり鍋にハマっているのですが、具材で外せないのが豆腐と油揚げ。
アラフォーになると、昔はどうとも思っていなかった豆腐や油揚げがとてもおいしく感じる。
おいしいと感じる一方で、この味覚の変化は自分が老いにむかっているのでは!? と心配になる。
10年程前のこと、ある飲み屋の店主に「最近魚がうまいんすよねー、10代のころのように肉が食えなくなってきたんすよねー」と言ったら、「それは老いてきている証拠だ。だって食べられていたものが食べられなくなってきたんだろ?」みたいなことを言われ、それはマズイ! イヤだ、老いたくない! と思ったことがある。
それ以来、若くありたい一心でなるべくこってりしたもの、脂っこいものを積極的に食べ続けるようにしてきた。
ところが最近、こってりラーメンやトンカツを食べるとほぼ100%の確率でおなかを下すようになってきたのである。
でも老いてきている自分を認めたくないので、いまだに積極的に食べるようにしている。
しかし、トンカツはまだしもこってりラーメンは正直、食べるのが苦痛になってきた。
これは、老いを認めざるを得ないのか。
いや、認めたくない! と無理して食べているが、体はピーピーとNGを出してくる。
本当はお酒を飲んだ後、おそばが食べたい。
けど、無理してラーメンを食べる。
定食屋に入ると煮魚定食が食べたくなる。
けど魚を食べたら、おじいちゃんになってしまう! と無理してトンカツ定食を食べる。
そして、体からイエローカードをもらう。
もう年齢に抗うのやめようかな。
だってお豆腐、おいしいんだもの。
谷洋介
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若手公演「オイディプス@Tokyo」
2017年2月23日(木)~26日(日)
すみだパークスタジオ倉
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