稽古場日誌

ぺとりこおる 水寄 真弓 2018/01/16

熱中して忘れていた事があった

現在、研修プログラム修了公演『ぺとりこおる』に向けて絶賛稽古中です。
公演のテーマは「熱中したこと」「忘れていたこと」です。
どんな作品になるのか、ご期待下さい。

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その日
私はあるアーティスト達のコンサートの為に
大阪に向かっていた。

当時ブログを読んでくださっている方が多く
会いたいと言ってくださる方も多くて
何十個もの手土産を用意して
会場の一角で待っていた。

「初めまして!」
「いつもコメントありがとうございます」
「わ~わ~」

開場までの時間も楽しんでいた。

彼女は九州から来ていた。
私の名前を呼び、自己紹介をして
用意した手土産を渡し
彼女からもお土産を頂いた。
そして、次に待ってくださっている方の為に

「これからもよろしく!」

と会話を終わらせた。
けれど、彼女はその場から移動しなかった。
開場時間が近づいた頃
彼女の姿は見えなくなっていた。

たくさん頂いたお土産を自宅に戻ってから
開封した。
メッセージカードやお手紙もあった。

彼女がくれたものは
手作りのエコバッグとお手紙。
裁縫が得意な彼女のお手製エコバッグは
とても丁寧に綺麗に、そして可愛く作られていた。
手紙を読んだ。

そこには

”いつも楽しいブログをありがとう。
とても会いたかった。
あなたの言葉で、救われた時もある。
会えて嬉しい”

まだ会っていない時に書かれた手紙。
私は涙が止まらなかった。

彼女は、私にとても会いたいと思ってくれていた。
なのに、その気持ちを軽んじてしまった。
会いに来てくれる人が多い事に熱中し
彼女との今までのやり取りの数々を
忘れていた。

また会えるかもしれない。
けれど、あの時間を取り戻すことはできない。

あれから7年半。

繋がりはまだあるけれど
彼女と会ったのは、あの時の1回だけだ。

忘れていたことが
忘れられないこととなった。

水寄真弓

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2017年度研修プログラム修了公演「ぺとりこおる」
日程:2018年2月21日(水)~25日(日)
会場:大森山王FOREST
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2018年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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