稽古場日誌

ぺとりこおる 山本 芳郎 2018/02/11

『ぺとりこおる』が楽しみ

 

現在、研修プログラム修了公演『ぺとりこおる』に向けて絶賛稽古中です。
公演のテーマは「熱中したこと」「忘れていたこと」です。
どんな作品になるのか、ご期待下さい。

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谷洋介が研修生公演を演出する。
これはかなりゾクゾクすることなのだ。
こんな日が来るとは思ってもいなかった。

谷洋介はかなり無口な男である。
いつもある独特の気配とともに劇団の稽古場にいる。
普通はこちらから話しかけないと、向こうから話しかけてくることは絶対にないが、ちょっと気を許せる先輩方にははにかみながら調子に乗ったりする。
けれど、僕はわざわざ話しかけていくタイプでもない。
彼が入団してから約10年、稽古や事務的なこと以外で彼としゃべったことすべてを文字に起こしたとしても、A4の紙1枚に十分おさまるくらいだと思う。
凄くない?

そんな谷洋介が頭の中で何を考えているかなんて、想像がつかない。
およそ「熱中」などとは縁のない男に見える。
それなのに今回「熱中したこと」をテーマに熱気溢れる研修生たちを演出するという。
凄くない?
どんな芝居になるのだろう、想像がつかなすぎてものすごく楽しみなのだ。

無口な男の頭の中は退屈だろうか?
そんなことはないと僕は思っている。
おしゃべりで社交的な人と無口で内省している人では、大抵無口な人の方が面白いことを考えている。
谷洋介の天才性は10年の間に確実に彼の頭の中で熟成されてきたと信じたい。

しかも今回頼もしいことに大先輩の水寄真弓がしっかり手綱を引いてバックアップしている。
ある意味「熱中」だらけの女である。
なにやらとんでもなく不穏な気配がするのだ、僕の心のなかでは。

面白くならないはずはないのである。

山本 芳郎

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2017年度研修プログラム修了公演「ぺとりこおる」
日程:2018年2月21日(水)~25日(日)
会場:大森山王FOREST
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2018年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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■年間ワークショップ参加者体験談
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