稽古場日誌

榎本 倫子 2018/06/19

エクスクラメーション

この度、演出部に入団いたしました。
榎本倫子と申します。
 
私は人を驚かせることが好きです。
子供の頃はよく小さなイタズラをしていたし、誕生日サプライズは半年前から仕込むこともあります。
しかし、物陰に隠れてワッと驚かすような度胸はありません。
私の好みは「ふとしたときに分かるビックリ」です。
子供の頃は、髪を切ったことが気付かれないことが好きでした。
そして数ヶ月後に「そういえば全然髪伸びないね!」と言われることが嬉しいのです。
大人になってからは、普段は大人しく影の薄い私が珍しく大声を出したときの周りの反応を見るのがいつも楽しみです。
 
日常において、純粋な「驚き」というものは少ないのではないでしょうか。
「ビックリ」だけが驚きではありません。
「かわいい!」
「嬉しい!」
「そんな馬鹿な!」
このように驚きは、「!(エクスクラメーション)」という形に姿を変えて、至るところに組み込まれています。
 
演劇って、私たちが生きている世界の「!」を集めた空間でもあると私は思います。
そしてその「!」は、人と人が繋がるきっかけであり、
観客が舞台に引き込まれる扉でもあると私は思います。
 
大きなものから小さなものまで、「!」とたくさん出会い、産み出し、育て、共有していきたいと思います。
 
どうぞ、よろしくお願いいたします。
 
榎本倫子

稽古場日誌一覧へ