稽古場日誌

研修生研修生(体験談) 2020/07/13

一年中が夏だった話

私にとって山の手事情社で過ごした2017年という年は、1年中が夏であるかのような、不思議な熱気を帯びていた。
 
研修生として入所し、最初のうちはまず身体づくり。ひたすら走って基礎体力を付け、筋トレ、発声などなど、運動部さながらのキツさで、クーラーのかかる稽古場であっても毎回汗をびっしょりとかいていた。
そして、山の手事情社独自の多彩なエチュードの数々。身体をはち切れんばかりに動かす。瞬発的にアイデアを出しまくる。ポーズのレパートリーやアイデアが尽きても、そこからさらに絞り出す。雑巾を最後の一滴まで絞り出すように、全力を込めて身体も、脳も、絞る。
そうかと思えば、2ヶ月に一度襲いくる個人発表《ものまね》。《ものまね》とは、簡単に言えば身の周りにいるちょっと変な人を、見せ物として面白くなるように特徴を掴んで物真似し、それを一人で皆の前で発表するピン芸だ。
瞬発力が求められるエチュードとは反対に、こちらは熟考を要する。緻密に、綿密に、声色や発語の間、身体の微細な動きまで考えに考え抜き、自信を持って見せたものをダメ出しされ、さらにじっくりと磨きをかけていく。脳が溶けるかと思うまで考え抜いた先に、表現になり得るアイデアが生まれた時は、至上の喜びを感じる。

このように、身体や思考を煮たり焼いたりするようにして過ごした日々は、今でも自分の中に色濃く刻まれている。地中に眠るマグマのように、ふつふつと自分の芯を熱く焦がしている。
そして何より、あの異様な熱気に包まれた1年間で得た知見、感覚、仲間、思い出の数々は、何にも替えがたい糧となっている。
 
2020年度の研修は半年間と聞いた。私や諸先輩方が1年かけて体験したことを半年で行うということは、その分濃縮された半年となるのだろう。何とも羨ましい。

2017年度研修生
遠藤瑞季

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