稽古場日誌
去る7月11日に池上show劇場vol.7『山の手めそっど寄席 ~ソーシャルディスタンスを心がけて~』を劇団のアトリエにて行いました。
『山の手めそっど寄席』はその名の通り、私たちの稽古方法である《山の手メソッド》を用いて作ったネタを、寄席形式でバンバン見せていく企画です。
ネタは主に、
俳優が腹の立ったことやアツく語りたいことをぶつける《漫才》
私たちの日常にあるドラマを切り取り、寸劇にした《ショートストーリーズ》
自分の周りにいる身近な人を真似る《ものまね》
これらは、劇団員が研修生のときから稽古で行っているもので、ほとんどが即興で作ったり、俳優自身が考えて作り出すものです。
この企画は、昨年の8月にはじめて行い、10月にもやりました。
それから約9か月振りに第3弾を実現することができました。
今回、このような時期に公演ができたのは、本当によかったと思います。
まだまだ油断できない状況の中、それでも観たいと心待ちにしてくださったお客様がいたということが、何よりも私たちには励みになりました。
しかし、逆に課題も見えました。
自粛生活を強いられた今年の3月から5月の3か月間、劇団での稽古は全くできませんでした。たった3か月ですが、今回やってみてそのブランクを感じました。
観に来ていただいたお客様も久しぶりの観劇の方がほとんどだったのではないかと思います。私たち出演者もお客様もお互い、少なからず緊張していたのかなと感じました。
でも、このお互いのコンディションとか、空気みたいなものを感じ取るのも、演劇の面白さなのでは、と思います。
私たち俳優にとって、お客様と触れあう時間というものは欠かせないんだと気づきました。
これから演劇はどうなっていくのか不安ですが、焦らずに、地道に、こうやって小さな演劇活動からお客様と触れあえる機会を増やせていけたら、と思います。
そして今、そんな活動を共にしてくれる劇団員を募集中です。
難しいご時世ですが、よかったら一緒に演劇の在り方を考えてみませんか?
今後も劇団山の手事情社をよろしくお願いいたします。
谷 洋介