稽古場日誌

池上show劇場【DELUXE】 山本 芳郎 2021/08/10

公演に向けて 1〜俳優紹介

『池上show劇場【DELUXE】』の稽古が始まっています。
僕は今回外野から応援する立場なので、稽古場日誌ではなく代わりに今回の出演俳優たちの紹介をしたいと思います。
長くなりますが、舞台上とは違う普段の印象をざっくりとお伝えします。

まずはベテラン浦 弘毅。
彼はいつもせかせか、きびきびと忙しそうにしている男です。
もっとだらだらしてればいいのに、いつも仕事を抱えていないと気が済まない性格なのです。
仕事の後よく稽古場に背広にネクタイで登場するので、ウラリーマンと揶揄されたりしています。
社交的に見えて実は意外と本心は見せない面もありますが、とても責任感の強い、頼れる熱血漢です。 
つまり性格、人間的能力、経済力などすべてにおいて僕とは真逆の人間というわけです。

長谷川尚美はべっとりというイメージです。
彼女の独特のキャラについては記述不可能なのですが、とにかく人間の風景としてはかなりレアなタイプです。べっとりとまとわりつくような粘着質なオーラを発し、好きな物に対しては狂信的なくらい執着する、その暗いエネルギーがどこから来るのか謎なのですが、周りからキモチワルイと思われながらも愛されるという不思議な特技を持つ女。ホラー映画的に惹きつける魅力の持ち主です。
飲み屋で本領を発揮するタイプですね。
頼まれればどんなことも成し遂げてくれる仕事の天才ですが、ホントは傷つきやすい少女のような一面もあったりします。

名越未央はいつもウフフです。
ザワザワしていません。山の手事情社の伝統的な肉食女子の中にあっては、かなりおっとりしているタイプ。笑ってもウフフ、怒っても一旦飲み込んで内に秘める、動揺を見せないブレない女です。
たぶん体力もあるんです。
嫌な先輩の誘いも断らず、打ち上げなどでも三次会まで平気でひっそりいるタイプ。
内側は情熱的、仕事も丁寧で頼りになります。

渡辺可奈子はチャキチャキな感じ。
器用で活発なタイプで人を怖れない。少し会話しただけでよく響くので頭がいい子なんだなと分かりますが、悪く言えば調子よくテキトーに受けてくれる人。
関係ないけど、かつて彼女の父親が僕と同い年だと聞いて、頭がくらくらした覚えがあります。

喜多京香はまだ入団して数年の新人です。
もともとダンスが好きだったのが、内実の大切さに気が付き演劇の世界に飛び込んでいます。
研修生時代と比べてだいぶ変わった印象ですが、これからまだまだ全然違う色を見せてくれそうな感じで期待できます。
喜びが多い京の香りという名前がすでに凄いのです。
稽古場ではいつもでっかいおにぎりを作って食べてます。

若いのに中年体型の佐々木 啓はキョロキョロ。
いつも周りを気にしているタイプ。
その目はいつも何か面白いことを探していたりするけど、同時にそんな自分がどう思われているかビクビクと過剰に気にしていたりする目。だから周りはついついツッコんだりいじりたくなる。
誰からも愛される天才です。
いつもはどうせ俺なんて……という卑屈なオーラを発していますが、実は自信満々なんじゃないかと僕はにらんでいます。

最後に『山の手めそっど寄席』企画者の谷 洋介。
彼について積極的に申し上げることはあまりないのですが、彼はむっつりと黙っています、いつも。
黙って面白いことを考えています。
ただ無口だけど、非常に顔立ちの整った二枚目です。
髪の毛がないんで見落としがちですが、誰よりもハンサムであることを確認しながらご覧いただきたいと思います。

さてそういうわけで、彼らがどんな魅力を見せてくれるか。
それぞれの「一人芝居」が中心ですが、公演全体としてはいろんなタイプの俳優たちみんなの共演。
小さい空間ながらまさにオリンピックの「多様性と調和」というテーマにもつながるような企画。
そんなところも楽しんでもらえるといいかなと思います。

山本芳郎

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劇団 山の手事情社 公演『池上show劇場【DELUXE】』
構成・演出=安田雅弘
日程=2021年9月17日(金)~19日(日)
会場=山の手事情社アトリエ

公演情報詳細は こちら をご覧ください。
配信でもご覧いただけます。

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