稽古場日誌
ニュージェネレーション 平戸 優希 2021/12/21
気がつけば山の手事情社に入って半年以上経ち、実は少しだけ身体がシュッとしてきました。運動が楽しくなってきたからなのか、はたまた身体にまとわりついていた分が、頭を使う方に回ったからなのか。
稽古が始まった当初は、走ったり、倒立をしたりなどフィジカル面の稽古が中心になっていました。その中で、私が何よりも苦戦したのは《二拍子》。
簡単に説明すると、様々な感情を、瞬間的にポーズにするもの。
例えば、「喜び!」と言われた瞬間。「これだ!」と自分の中で感じたポーズで止まっても、本当に喜んでるの? と聞かれてしまう。考えて考えて……気がつけばドツボにハマってしまうというわけなのです。
なのですが、ある時ちょっとだけ突破口が見えたことがありました。
それは、自分の身近な人を真似てみること。
いつもの自分とは違う腕の上がり方、足のポジション、呼吸の仕方。かなり新鮮なポーズをしていました。視界がパーッと明るくなり、なんだかワクワクするような、浮き足立ったような気分でした。自分はなんでも出来る! なんて少しだけ自信が湧いたくらいです。
この体験は、自分が勝手に視野を狭めることにより、役者として当たり前なことに気がつけなくなるという恐ろしい事実を知った瞬間でもありました。
その後も身体を自由に使うべく、鍛えていく日々だったのですが、最近はその身体と共に、頭も使った稽古が多くなってきました。ネタになりそうなものを探して、頭はフル稼働で血眼状態。そんな状態が続いているので、身体を動かしていないのに、エネルギー切れになることもしばしば。
頭を使うことって、本当に疲れるんだと改めて感じています。
これからは公演に向けて更に考えたり、動いたりする機会が増える訳で……
公演を走り抜けるため、沢山美味しいご飯を食べて、沢山頭をフル回転してシュッとした身体を劇場でご覧頂けるように気合を入れていきます!!
平戸優希