稽古場日誌
この度、劇団員になりました、草野明華(くさのさやか)です。
これからよろしくお願いいたします。
私が劇団員になったのは、山の手事情社の演劇にはお客さんの心の琴線に触れる力があるのではないか、と考えているからです。
声や身体の持つエネルギーが舞台上から客席に伝わって、痺れるような感覚を私も俳優の1人として届けたいと思っています。
山の手事情社には独自のメソッドがあります。その中でも《ルパム》はお客さんにぐわっと届けられるエネルギーがあるものだと思っています。
強い感情を表現するために、頭と身体を沢山使って生み出された動きは、観客の予想を裏切る面白さがあり小気味よくて癖になる、と思っているし、私もそんな《ルパム》を作りたいです。単純な動きなのに訴えかけるものがあって、人の身体ってすごいなと思うし、感情の力が伝染するのを体験できるのも生の演劇の魅力だなと感じます。
しかし、私は声も身体も演技もまだまだパワーがありません。演劇に真摯に向き合っている先輩方からその技を盗み、これから良い俳優になるために精進していきます。そして、演劇を続けていって、何年か先も「まだまだだ」と思える人間でありたいなと思います。
最近は、いい俳優は自分と向き合う時間を沢山持っている、と感じることが多いです。自分が物事をどのように捉え、感じているのか、それを素直に受け入れたり、またそう考えるのはなぜか? というところまで掘り下げてみる。その作業をまず自分に対して出来るようになったら、役を演じる時もより深く向き合えるようになるのだろうなと思います。私は、他人のことをよく知りもしないでその魅力全部ほしい! と思ってしまうので、まず自分のことを知って、俳優として自分を使えるようになります。
どうぞよろしくお願いいたします。
草野明華
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草野明華 出演作品
ニュージェネレーション公演『ほんのりレモン風味』ダイジェスト映像