稽古場日誌

その他 馬場 玲乃 2022/05/08

自分〇〇ですから。

はじめまして。新劇団員の馬場玲乃(ばばあきの)です。

最近、器用だと褒められる事が何度かあった。
他意はないだろうが、そこで私はdisられている気分になってしまった。

天邪鬼ですから。
小手先が器用ですねに聞こえるのです。

でも折角なので、なにが器用になったのか考えてみる。
そもそも10年ほど前、私は演出家に「ぶきっちょさんですか?」なんて言われていたのだ。それはそれで温かい言葉に感じられたのだが。

ここ最近で変化した事。

今までは、自分の内面が動かないと役の表現がついてこない、という手法にしがみついていた。内面を大事にするあまり、それが出来なかった時に表現がちっぽけになってしまうのだ。
この一か八かな芝居を卒業するため、役の情緒をその場で掴めなくても、想像力をジャンプさせてフィットする表現を掴もうと稽古で意識しはじめた。間違えていたら壊せばいいから、まずは仮説を立てていく手法。

不器用な手法から器用な手法に切り替えたのか。
いや、違う。全然違う。今のは無しだ。
それに、以前からの手法を完全に捨てたわけでもない。

相手の台詞を前よりよく聞くようになったのかも知れない。
それはある。ものすごく大事なことだと思っているから。

でもやっぱり、器用と言われるのは何か嫌だ。
私の好きな俳優だって皆、実力はあるが不器用な人ばかりだ(と勝手に思っている)。
不器用を表に出すなんてダサいと思う。しかしそれが器用に見えるのも、ちょっといただけない。

「器用に不器用を試す人」
何がなんだか分からなくなりそうだが、ワード的にそんな感じなら嬉しい気がする。

自己紹介するとすれば、私はそんな人です。

今後とも宜しくお願いいたします。

馬場玲乃

**********

馬場玲乃 出演作品
ニュージェネレーション公演『ほんのりレモン風味』ダイジェスト映像

稽古場日誌一覧へ