稽古場日誌

馬込文士村 空想演劇祭 小笠原くみこ 2023/02/04

『花物語ごっこ』日本のラジオさんのこと

今年度の「馬込文士村 空想演劇祭2022」には、山の手事情社と日本のラジオさんの2作品を出品しています。

山の手事情社も、日本のラジオさんも、ある意味「毒」と言いますか「灰汁」と言いますか、そういった感覚を意識的に表現の中に入れているなあと思っています。
それぞれ別な「毒」や「灰汁」で例えるなら、
山の手事情社は、画鋲が入った靴を履いてランニングするという感じ。
日本のラジオさんは、小石がずっと足の裏にあって微妙な違和感がありながら散歩をする。
という感じでしょうか。
ちなみに、日本のラジオさんのキャッチコピーは、「さわやかな惨劇」だそうです。

日本のラジオさんの『花物語ごっこ』は、吉屋信子の『花物語』という短編小説の1話目『鈴蘭』がベースになっています。この『鈴蘭』の世界と交錯するかのように、現代の女性3人の昔と今が描かれているので、世界が3重構造になっている作品です。
女性3人の世界は、複雑な物語ではないですし、私たちの日常的な言葉でつむがれていくので、3重構造といっても、ムズカシイわけではありません。むしろ、ふわーっとひとつの世界に感じてくるので不思議です。

ふわっとしていて乙女の世界が広がっている、そんな『花物語ごっこ』ですが、なんとなく、どこかに、チクっとするような感覚があるのは、きっと、演出の屋代さんの狙いだと思うのです。山の手事情社の『千代と青児』とあわせて、ぜひ御覧ください。

小笠原くみこ

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OTA アート・プロジェクト『馬込文士村 空想演劇祭2022』

■視聴券
2022年度制作(2作品セット) 1,000円(税込)※劇団 山の手事情社『千代と青児』含む
2021年度制作(4作品セット) 1,500円(税込)※劇団 山の手事情社『おたふく』含む

■視聴券販売期間
2022年12月15日(木)~2023年2月14日(火)23:59

■購入・視聴サイト
Confetti Streaming Theater(カンフェティ・ストリーミング・シアター)

詳細情報や予告編の視聴は、特設ページ をご覧ください。

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