稽古場日誌

デカメロン・デッラ・コロナ 草野 明華 2023/02/16

具沢山お味噌汁

『デカメロン・デッラ・コロナ』、私の初舞台です!
小学生の頃からなんとなく舞台には立ってきましたが、俳優として生きていく、と決意したあとに立つ初めての舞台です。

稽古は楽しいです。読み合わせや《ルパム》(演劇的なダンス)発表で他の俳優の演技に触れると、「面白い!」「すごい!」の連続で、疲れていた心身がみるみる潤います。同時に、もっとうまくなりたいなあ! と思います。
あと1ヶ月半! 今回の舞台での個人的な目標を2つ、宣言します!

1つ目は演技における「色気」を手に入れること。

色気、といってもエロさではなく、俳優のオーラと言い換えられるようなものです。素敵だなと思う俳優の方は舞台上での輪郭がくっきりしていて、観ていてぐっと惹き付けられる強さや美しさがあって、惚れ惚れしてしまいます。

でもあの色気ってどこから出てるんだ……?
そもそも色気ってなんだ? ってところから探る必要がありそうです。研究します。

2つ目は「あざとさ」を恐れないこと。

私の演技って「印象に残らなさそうだな〜」というのが今の課題です。
昔、「恋愛免許証診断」というネット上で出来る恋愛の性格診断が友人の間で流行りました。私は「優しいけど、弱いインパクト」という辛口評価とともに「あなたを料理に例えると」という項目では「具なし味噌汁」と診断されました。なんとなく「分かるな」と思ってしまいました。
(時期を変えて3回も診断したのに、必ず「具なし味噌汁」だったのでそれもショックでした。)

最近、演技においてもそうなのかなあと思うことが多いです。あっさりしていて印象に残らない。具なし味噌汁。弱いインパクト。あのときの評価が違う意味で刺さってます。ぐさぐさ。以前《ものまね》(身近な人をまねる稽古)の発表で演出部の方に言われた「平均点を取りに行こうとしちゃダメだよ」も思い出して、悔しいなあと思っています。ここらへんでいいかな、と無意識のうちにブレーキをかけて、突き抜ける、思いっきりやってみることをいつも恐れています。
だからこそ、今回の舞台では表現に「あざとく」なろうと思っています。外側だけで演じていても仕方がないので、きちんと内面と外側を繋げた上で、表現に貪欲に取り組みたいです。また、いつも演じる対象の内面の方を意識しがちで、身体からのアプローチが疎かになり、結果的に自分と役の違いが見えないということも多いので、身体や声にもこれまでより敏感になりたいです。

稽古場日誌に書いてしまったのでもう逃げられません。怖い。やるしかないです、頑張ります。目指せ、具沢山お味噌汁!

草野明華

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劇団 山の手事情社 公演『デカメロン・デッラ・コロナ』
日程=2023年3月24日(金)~26日(日)
会場=池上会館 集会室

チケット発売中!!
公演情報は こちら

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