稽古場日誌

ニュージェネレーション(体験談)研修生 有村 友花 2023/04/05

ニュージェネレーションという場所

突然ですが、話は3年前に遡ります。
私は人と関わらずひとりで黙々とする仕事をしていました。

ある日、付き合いで演劇を見に行くことに。すると舞台では役者が凄い熱量で台詞を発し、生き生きとしていました。「人ってこんなに話せるのか!」と感動しました。その後、仕事を辞めて、何をしようか悩んでいたときに、その時のことを思い出し、「私もやってみよう!」とニュージェネレーションの門を叩きました。

環境は一変しました。

とにかく人と話す、話す。
様々なエチュードのなかで、自分の感じたことを言わなきゃならない。けれど、思っていることを適切な言葉で話すのが難しい。強い感情を伴って話すということが難しい。どう話すのが正解なのか、どうか感じることが正解なのか、そんなことばかり考えていました。

ある日の稽古。
《感情柔軟》という稽古で思いきり笑おうとしていた時、「愛想笑いばかりしていると、本当に楽しいことがわからなくなってしまう」とエチューダー(指導してくれる劇団員)に指摘されました。ぐさっ! と刺さりました。私は人に忖度したり、どう思われるのかを気にして、何が正解なのかばかりを考えていました。

今まで生きてきたなかで培った分厚い外面が邪魔をしてきます。
本当の気持ちは? 考えだすとどんどん分からなくなる。
人と素直に話し合えている? 彼氏の事は好きなのか? 今のそれ本当に面白かった? よくわからない。逃げ出したい。ぼーっと誰かに合わせて過ごしていた方が楽だった‼︎

けれどそんな日々のなかで、感情が素直に出て言葉になったような、自分の興奮と言葉が結びついたような、素直に気持ちを届けられたような、「これかも」という瞬間がありました。感情と身体とが繋がったときの言葉は素直で気持ちがいい。そして少しだけ自由になれた気がします。
自分をよく知ることは演劇でも、それ以外の仕事でも重要なことだと思います。しかし、それには果てしない時間や努力が必要になります。私にとってニュージェネレーションは、それに安心して思いきり取り組める環境でした。

私自身、まだまだ先は見えないし、分厚い外面は残っているけれども、ちょっとずつひびを入れて、殻を割っていきたいと思っています。

有村友花

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劇団 山の手事情社
2023年度準劇団員(ニュージェネレーション)募集
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2023年度募集チラシ(表)ピンク

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