稽古場日誌

その他 藍葉悠気 2024/04/15

性懲りもなく藍葉悠気です

こんにちは。2023年度のニュージェネレーションを経て、新劇団員として入団しました、藍葉悠気(あいば ゆうき)です。

さて、この男、何者なんでしょうか。
年齢は37歳、今年で38歳。若くはありません。
身長178cm、体重80kg。わりとデカいです。もう少し痩せたいです。
仕事は、漫画やゲームの制作に携わることをやっています。
妻と、二人の子どもがいます。本当です。

そして、何故、山の手事情社に入団したのか。
謎です。
では、その謎を解き明かすためにも、少しだけ自分のことを語らせてください。

僕は物心ついた頃から絵を描くのが好きでした。
色々ありまして、僕は両親と暮らしたことがなく、幼い頃は絵を描くことだけが唯一の楽しみであり、世界との繋がりといってもいいことでした。絵に絶対の自信を持ち、将来は漠然と「絵を描くこと」を仕事にするつもりでした。
しかし、その自信は高校生の時に叩き折られます。
いわゆる美術系の高校に進学した僕は、自分よりも絵が上手い同世代の人間がいることを知り、挫折します。また、美大受験という厳しい競争の中で徹底的に現実を突きつけられ、己の才能の無さを思い知りました。
よくある話です。

その後、なんとか都内の美大に入学はできたものの、失った自信が完全に回復することはなく、その頃から「どうすれば面白い人間になれるだろう?」ということを試行錯誤するようになりました。自分の絵や作品が面白くないのは、自分自身が人間として面白くないからだ、と考えた訳です。

その試行錯誤のひとつの中に、演劇がありました。
大学の演劇サークルに入り、そこから20代半ばまで、わりとどっぷり演劇の世界に浸かっていました。その目的は常に変わらず「どうすれば面白い人間になれるだろう?」という茫洋な問いに対する答えを探すことでした。
結果、答えを得ることはできませんでした。
やがて、仕事、結婚、子ども、仲間、場所、年齢、そういった様々な要因によって演劇から離れ、いつしか自分自身「どうすれば……」という問いを気にしなくなりました。問いを気にしなくても、生きていけることに気づいてしまったからです。

そうして、あっという間に10年の月日が経っていました。

この度、山の手事情社とのご縁があったこと、演劇の世界に再び戻って来られたことは本当に偶然が重なったのだと思います。
しかし、30代半ばを過ぎ、それなりに社会の中で自身の立ち位置を確立させ、妥協と納得の両立を覚えた上で、今もう一度、本当に自分が欲しているもの、求めているものは何か? と思い返した時、そのヒントを得られるのが山の手事情社ではないか? と直感的に感じたことは、ある意味で必然だったかもしれない、とも思っています。
つまりは、やはり「どうすれば面白い人間になれるだろう?」という探求。
それこそが山の手事情社への入団を希望した理由であり、僕自身が人生を通して解き明かさないといけないと感じている謎そのものでもあります。

という訳で、性懲りもなく、この極めて不毛な答えを再び探し始めた、この諦めの悪い藍葉という人間を受け入れていただけたら幸いです。
ぶっちゃけ、どうせ答えはないんだろうな……ということも薄々気づいてはいるのですが、それでも探し続けている方が、どうやら人生を飽きずに楽しめそうので、どうぞお付き合いください。

それでは、これから、何卒よろしくお願い致します!

藍葉悠気

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